NHK出版新書<br> 人事評価の「曖昧」と「納得」

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NHK出版新書
人事評価の「曖昧」と「納得」

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  • サイズ 新書判/ページ数 197p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784140884478
  • NDC分類 336.43
  • Cコード C0234

内容説明

会社から受ける人事評価に、不満や“もやもや”として感情を抱いている人が多いだろう。その原因は、人事評価というものが必ず「曖昧」にならざるを得ない点にある。にもかかわらず、人はその評価に「納得」して受け入れることがある。なぜか?これまでにない視点と豊富な具体例から、日本の人事評価の実態と現実的な対処法を明らかにする一書!

目次

第1章 人事評価の成り立ち(人事評価が目指すもの;人事評価制度の作り込み;日本企業における二大評価法;人事評価における公正と納得)
第2章 曖昧化する人事評価(人事評価への不満と不安;「職務遂行能力」をめぐる苦闘―能力評価の曖昧化;「過程の公正」は実現するか?―業績評価の曖昧化;再説:人事評価への不満と不安)
第3章 曖昧さの中での納得(「シロ」とも「クロ」とも言える曖昧さの前で;「曖昧な中での納得」とは;どうやって従業員は曖昧さを受け入れるか―上司と部下の関係性;従業員にとって人事評価とは何か)
第4章 職場や従業員に寄り添う人事評価(人事部門と現場の関係を編み直す;優劣比較を伴わない評価;パフォーマンス・マネジメントとしての人事評価;不満の芽を飼い馴らす)

著者等紹介

江夏幾多郎[エナツイクタロウ]
1979年、京都府生まれ。名古屋大学大学院経済学研究科准教授。博士(商学、一橋大学)。専門は、人事管理論。主な論文「人事システムの内的整合性とその非線形効果」(第13回労働関係論文優秀賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ma-san

3
なぜ人事評価が「曖昧」なものになってしまうのか、そしてなぜ我々は曖昧なのに「納得」してしまうのか、そのメカニズムについて論じた本。みんながなんとな~く思い描いていたことを整理して、明確にしてくれている。そのためか、そうだったのか!という新発見はなくて、まあ、そうやんね~といった読後感。もうちょっと若いとき、就職してしばらくしたぐらいに読むと良かったのかもしれない。内容的に現状分析がメインで、だからどうする、という部分が弱いせいかも。もう少しそこが知りたかった。2016/04/20

くじら

2
10年前に出版された本だが、自社はまだ曖昧と納得のバランスが取れない。100%の成功も全員が100%満足することもあり得ないので、気持ちがマイナスに大きく振れた人は掬い上げて平均をあげていくしかない。2024/03/10

masa

2
やや表現がわかりづらい部分(研究論文っぽい)があるものの、人事担当者としても、一サラリーマンとしても勉強になる内容。人事評価そのものが「曖昧」で、被評価者は不満を感じるものであることを前提として、いかに「納得感」を得るかという点に注目して書かれている。「納得」の仕方にもいろいろあるという考え方が興味深いが、最も重要なのはやはり上司と部下の信頼関係。評価する側は大変だがそれが部下のモチベーションに繋がるのであれば負荷をかける価値もあるか。2017/01/05

tetsuwo

1
公正であろうとするほど複雑性が増し、不透明になっていく人事制度。完璧な制度はなく、時代に合わせて少しでも公正であろうと変化していくことが大切である。一方、従業員の評価に対する納得は、必ずしも制度の公正さによって生まれるものではない。従業員は、公正であるがゆえに不透明になる制度の宿命を冷静に受け止め、制度以上に評価者に関心を持ち、評価者の自分に対する関わり方に納得の根拠を求める。そのため、いかに日常におけるコミュニケーションの質を高めるかが、人事評価への不満を減らす鍵である。2023/04/01

ちょもらんま

1
人事評価担当者としても、企業で働き人事評価を受けるすべての人に価値のある一冊であると思う。そもそも人事評価に完璧なものなどありえない。すなわち全員が納得するような制度設計など不可能。そういった前提の中で何を目指すべきか、何をすべきか。制度自体ではなく、日ごろの上司部下間のコミュニケーションなどは当たり前のことだが、人事していかに「納得してなくはない」状態を作り出すのか。個人的には、「あるべき姿」の深堀と「現状」の確認から「自身の戦略」を考えさせるものにしていくことが大切だと考える。2016/08/15

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