内容説明
銀行はなぜ不正融資を繰り返したのか?公共の金が暴力団に流れたカラクリは?なぜ財務局登録業者が大型詐欺事件を起こしたのか?市場にはびこる反社会的勢力が狙う企業の特徴は?人はなぜ、不正に手を染めてしまうのか―。カネの流れから経済事件の真相を解明してきた財務捜査官が、日本を蝕む組織不正の構造に斬り込む。わが身を守るための反社会的勢力対策も詳説。
目次
第1章 「国のお墨付き」金融機関による大規模詐欺事件
第2章 公共機関とメガバンクが関与した三十年にわたる不正
第3章 マーケットに忍び寄る反市場勢力
第4章 銀行員出身の捜査官
第5章 「ヤクザに甘い日本」の汚名を返上せよ!
第6章 「反社会的勢力」って何?
第7章 実践!反社会的勢力対策
第8章 経営者よ、正しい企業風土をつくれ
著者等紹介
小林弘樹[コバヤシヒロキ]
1969年、兵庫県生まれ。公認内部監査人(CIA)、公認不正検査士(CFE)。株式会社アキュレートアドバイザーズ代表。大学卒業後、大手都市銀行に勤務。1998年から2008年まで、大阪府警財務捜査官を拝命、大和都市管財事件、飛鳥会事件、梁山泊事件など、大型経済事件の捜査に貢献する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Koichiro Minematsu
18
企業のガバナンス・コンプライアンスの重大さが叫ばれる昨今でも、そこにひとと金がある限り、不正は無くならない。不正のトライアングルと言われる一つの要因である「不正の機会」を作らない組織風土をトップが醸成すること。2018/12/20
あんさん
11
再々読の本。最初に大和都市管財事件、飛鳥会事件、梁山泊事件を解説した後、反社会的勢力対策を詳説する。やはりトップの姿勢と内部統制、最後は自身で判断・行動できる力。2025/01/27
アルカリオン
9
すごく面白いわけではないが、概ね期待通りのトピックを扱っており、先日、萩生田勝『警視庁捜査二課』で受けた肩透かし感はない。2021/05/14
そらいろ
6
【図書館】銀行員を経て財務捜査官に、その後経験を生かした企業を経営する著者が語る、世間を騒がせた事件と、反社会勢力との関わり方。刑事ドラマみたいに、どうやって捜査するのか証拠はどうやって見つけるのか、逮捕や取調べについてはどんな感じなのか、それらが書いてある痛快な話なのかと思っていたのですが、非常に冷静で真面目な内容。金の動きを丁寧に追い裏を読む。実際の捜査って地道なものですよね。当然ですが…。財務捜査官を目指す人というよりも、反社会勢力に悩む経営者や加担させられている社員に向けての内容だと思いました。2014/08/22
くりりんワイン漬け
3
重要ないくつかの事件を通して、各事件に係る重要な要件をわかりやすくまとめて当該事件の問題がどこにあるのかを明示している。氏は銀行業に携わるものへのメッセージをところどころに記載しているが、十分会計の基本がわかっていれば面白く理解できる本である。またこの本から深くそれぞれの疑問を追求するのもおもしろうかもしれない。2015/01/22
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