内容説明
やる気が出ない、気力が湧かない、やってもやらなくても同じに思える…。私たちが“無気力”に襲われるのは、生まれつきの性格のためではなく、それだけのワケがあるからだ。実験心理学の見地から、無気力状態に陥ってしまう心理メカニズム、知られざる健康被害の可能性を明らかにし、身を守る実践的ヒントを提示する。“心の時代”を生き抜くために必読の一冊。
目次
第1章 無気力は学習される
第2章 無気力なのにはワケがある
第3章 無気力が健康を害する
第4章 無気力がうつ病を招く
第5章 うつ病の心理学
第6章 目標とやる気の不思議な関係
第7章 無気力にならないために
著者等紹介
大芦治[オオアシオサム]
1966年、東京都生まれ。千葉大学教育学部准教授。専門は、教育心理学、健康心理学。早稲田大学第一文学部卒業後、上智大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。倉敷芸術科学大学講師などを経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカ
26
【図書館】人や動物が無気力になる条件を実験を通して探りまとめたもの。主に実験結果についての記述が多く、無気力になった場合の改善方法などについてはあまり書かれていないので、そういったものを求める人には向かないと思う。 内容自体は興味深いのだが、どうしても動物実験の話を聞くと憂鬱な気持ちになってしまう…2015/12/25
Cambel
17
想像していた切り口とは違い、一昔前の実験的な心理学の話(パブロフの犬とか。専門じゃないから明言できないけど)。。。1/3くらい読んで終了としました。気分としては、もっもバリバリの脳科学を求めていたので。無気力になるのに関係する神経伝達物質の話とか、免疫と無気力が関係するなら、免疫細胞がどのような振る舞いをしているのかを知りたかったけれど、そういう事は書いていなかった。出版は2013年だから古いという訳でもないのだけど。テーマが今の自分に合わなかった。2018/03/13
わえ
13
無力感がなぜ生じるのかについて、専門家達がどのように答えているのか知りたくて読む。無力感が学習されるという視点は自分にとって新鮮だった。マウスやサル、時には人を対象にした実験例が多数挙げられており、説得力があった。/「コントロール不可能性の学習が無気力の原因である。」/「『自分の行動は自分が決めている』という気持ちは、やりがいや面白さにつながっている。」/タイプA=仕事熱心、達成欲求が強い、時間に対して几帳面、他者に対する競争心や敵意が強い。2019/05/24
文章で飯を食う
9
学習性無気力の本。実験心理学の手法で無気力、ウツ、オプティミズム心理学などに迫る。解けない課題が実験動物やヒトを容易に無気力にする。そして、解けた課題が無気力に対する免疫になる。できるだけ成功することが大切。適切なゴール設定も大切。2015/06/11
Yuichiro Komiya
9
様々な動物実験の結果から、やる気がでない無気力状態がなぜ起こるかを考察している。自分でコントロールできないような状況に長くさらされると、無気力状態になるということらしい。これは子供の教育や会社での新人教育でも当てはまりそうだ。単に黙々と勉強を強制されたり、毎日怒られたりするような環境が続けばどんな人でも無気力、鬱状態になるのでは?また最後の章では鬱を回避するための楽観主義の解説があり、これも参考になる。2015/04/18
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