内容説明
わたしたちは、なぜか「古語」と「現代語」が別物だと考えてしまう。だが、古語ははじめから古語だったのではなく、現代語もいつまでも現代語ではない。隔絶しているようで、二つは地続きなのである。本書は、古典と近代の言葉の連続をたどり、「古語」と「現代語」を繋ぐ失われた輪を探すことで、日本人の国語観の幻想をはらい、古典の深奥に誘わんとする一冊である。
目次
きりぎりすはいまのこおろぎか
第1部 地続きの「古典」と「近代文学」(「白鳥は哀しからずや」考―近代に消えたリンク;反語考―地続きの文法;作者は事実を語るか―読み解きのミッシングリンク)
第2部 擬古文のなかの「古語」(擬古文とは何か―地続きと断絶の「古語」;「あやなし」考―宣長たちが作ったミッシングリンク;「おごめく」考―ミッシングリンクで生まれた古語;「たそ」考―『雨月物語』の古語をどう読むか)
第3部 歴史的仮名遣い論者のミッシングリンク(仮名遣いとは何か―人為的ルールというリンク;歴史的仮名遣いは美しいか―架空の表記というリンク;わたしならこう書く―教科書のミッシングリンク;捏造される伝統―文化人たちのミッシングリンク)
著者等紹介
白石良夫[シライシヨシオ]
1948年、愛媛県生まれ。九州大学文学部卒業。83年、文部省(現文部科学省)入省。教科書検定(国語)に従事しながら研究を続ける。2009年より佐賀大学教授。国語国文学専攻。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
しんこい
かふ
cronoq
人間万事塞翁が馬