内容説明
「このままやっていてもなあ…」と何となく感じるとき、人は新たな能力を生み出す局面をむかえている。「がんばっている自分」にはまることなく、人間に本来備わっているはずの「飽きる力」をどう目覚めさせ、活用すべきなのか。身体論、システム論の地平を拓く哲学者が「努力していることの疲れ」を纏うすべての現代人のために贈る、心と身体のリハビリの書。
目次
序章 疲れた生活を変えるために
第1章 飽きること
第2章 飽きながら育つ
第3章 何に私は飽きたのか―オートポイエーシスとの出会い
第4章 飽きることができない日本
第5章 一生懸命であることに飽きる
第6章 「間違った努力」に飽きる―リハビリの現場から
終章 飽きるための簡単なエクササイズ
著者等紹介
河本英夫[カワモトヒデオ]
1953年、鳥取県生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。現在、東洋大学文学部哲学科教授。オートポイエーシス・システムという次世代型のシステム論の開発、改良を行い、精神病理学、アート、リハビリテーション、進化論といった多くの現場とコラボを組みながら展開を続けている。ことに身体論、発達論、現象学で固有の展開が多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
むいむい
12
期待してた内容とは少し違った。「飽きる」と「あきらめる」は全然違うことです。よく覚えておこうと思う。飽きたらやめるでは、当たり前だけど進歩がない。そもそも、飽きるとはそういう事ではないと言われて、ビックリしました。飽きっぽいと自覚していた自分を考えてみようと思う。2016/12/15
袖崎いたる
8
よーやく読めた一冊。飽きることをポジティブに捉える趣きある本。オートポイエーシスの話でもある。あそびが大事です。2018/09/04
iwri
6
河本英夫の理論書を読むと、河本自身がどこか異なる経験の回路を使っているという感じがして、そこが河本の理論をよりわかりにくくしている印象を受ける。本書はそのようなオートポイエーティックな経験の回路をいかにして開くかという実践例のための本だと言える。記述自体は簡潔でわかりやすく、河本オートポイエーシスの基本構想に触れたい人にはよい入門書だと思う。2013/01/06
ポカホンタス
6
「飽きる」ことの効用を力強く説いている本。斉藤環さんの書評で知った。私のような飽きっぽい人間にはうれしくなる内容。飽きることと創造することは非常に近いようだ。著者がオートポイエーシスにはまっていった経緯や、その本質を悟った時の様子などは非常に面白く読んだ。ただ、ビジネスマンのためのメンタル指南書として書かれているが、大学で哲学の研究ばかりしてきてちょっと臨床的な世界に触れただけの世間知らずの人が世間知たっぷりのビジネスマンに説教するのはお門違いだし、ちょっと変な感じにうねりのある文体には「飽きて」しまう。2010/12/24
shiorist
5
とても重要なテーマを扱っているし、著者のマッドサイエンティストっぷりもイイ。ただこの禍々しい文体のせいで怪しい啓蒙書になってる感じが残念。2011/01/05
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