内容説明
首脳外交全盛の時代、その成否は国益を左右する。各国首脳は国の顔となり、歩く広告塔となり、世界を駆け巡る。「率直に物言う外交官」と呼ばれた著者が、外交の内側から数多くの事例を検証。首脳に求められる資質、首脳を補佐する体制など、日本の「首脳外交力」を高めるための方策を探る。
目次
第1章 「華のサミット」は首相を試す(首脳外交の華、サミット;史上最大のG8サミット ほか)
第2章 首相!ご自身がメッセージです(首相の発信力が問われる;最初の外遊先選びはバランス感覚で ほか)
第3章 首相の外交センスが問われている(首相の外交センスが招いた外相辞任;ソ連の中距離核戦力を撤廃させたロン・ヤス関係 ほか)
第4章 補佐たちの眠れない夜(外交一元化は首脳レベルで;官邸の外交補佐体制を強化せよ ほか)
第5章 理念ある外交を目指して(首脳が描く外交理念;日米同盟の重要性と呪縛 ほか)
著者等紹介
平林博[ヒラバヤシヒロシ]
1940年東京生まれ。東京大学法学部卒、外務省入省。ハーバード大学国際問題研究所フェロー、総務課長、駐米公使、経済協力局長、内閣外政審議室長を経て、駐インド、駐フランス大使、査察担当大使を歴任。現在は早稲田大学大学院客員教授、日本国際フォーラム参与、日印協会理事長、東芝および三井物産取締役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
某ホテル管理人
0
首脳の一挙一動が世界に向けてのメッセージとなる。ロン・ヤスが仲良く写真に収まっていれば日米同盟の堅さが示され、ゴルフを通じたパフォーマンスがインドとの友好関係につながる。首脳にはバランス感覚が必要で、初めて訪れる国をどこにするかは極めて重要な意味を持つ。外務審議官を始め多くのサポートの存在感は大きい。「凛とした外交」等理念やビジョンを示すことも大切だ。外務官僚としての経験から多くの具体的なエピソードを交えて説明がなされており、面白かった。「日本の外交は欧米に比べて弱い」という先入観は弱まったように思う。2012/03/01
KBOSN
0
外務省役人が日本の外交エピソードを回顧。「外交には常に目的がある。その目的が大きくなると理念・ビジョンになる」と唱えるが、理念・ビジョンありきの目的なのでは。2019/07/10