内容説明
改正教育基本法に明記された「いい子」を育てるための努力義務。国民運動「早寝早起き朝ごはん」。少年犯罪への不安…。あらゆる方面から「家庭の教育力が低下している」と指弾され、親の責任が問われるなか、自分を信じて、伸び伸びと子どもを育てるためにはどうすればいいのか。気鋭の憲法学者が、従来の議論で抜け落ちてきた「親の権利」を問い直し、「子育ての自由」を宣言する。
目次
第1章 「正しい子育て」へのプレッシャー
第2章 国は道徳を教えられるか
第3章 無視されてきた「親の教育権」
第4章 学校とどう付き合うか
第5章 人の道を教えるのは誰?
第6章 学校を通して社会を見る
著者等紹介
西原博史[ニシハラヒロシ]
1958年生まれ。早稲田大学社会科学部教授。専攻は憲法学。基本的人権からみた、子ども主体の教育についての論述多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひろ
1
「教育」概念の輸入時にラテン系諸語では分けられている「人格教育」と「知識伝達」をひとくくりにしたため、学校に両方が任されるようになり、また臣民化教育を受けた親世代の影響を排除する目的から、戦後の教育基本法はあえて人格教育も学校に任せた。しかし、価値に関する問題(性や愛国心、郷土愛等)を学校で扱う機会が増える今後は、文科省から垂直的な指揮を受けつつある学校の側の示す「正解」を鵜呑みにせず、子どもが自分の考えを発信できる発言力と環境が必要。またそのために、親が価値や人格教育に積極的に決定権を持つようにする。2014/11/02
入江・ろばーと
0
言わんとしたいことは理解できるけど何つーか突っ込みどころ満載。まあ内容が左派的だから仕方ないか。教育基本法“改悪”反対論者だし。この手の本でよくあるけど、“国旗国歌を強制するのは子どもたちの思想・良心の自由を侵す”ってやつ、反対の“強制”もまた然りってことに気付いてるのかな? 完全に“自己矛盾”だよなあ。「しつけはちゃんと各家庭でやって学校にやらせるな」は同意。2014/03/14