内容説明
今、少女たちは、溢れる性情報に右往左往し、セックスは思春期の不安や焦燥からの逃げ場、価値や意味を見出せない「行為」になりさがっている。何故か?戦後、女(と男)の「性」は、家や社会の旧弊や管理から自立し、もっと実り豊かな果実を産むはずではなかったか。70・80・90年代、われら親世代が生み出した「性意識」の嘘と真実、その変容と挫折を辿る。
目次
1 家制度と民主主義の中の性―一九七〇年代まで(貞操の時代;戦後民主主義と性;「ニューファミリー」世代の性と結婚)
2 女たちの「輝く個性と性」の神話―一九八〇年代(女の子たちと「個性」;女の性の爆発―「モア・リポート」の衝撃;男女雇用機会均等法とバブルの中の女たち)
3 セックスの意味と価値が消えた!―一九九〇年代(街中に溢れ出したセックス;女の子たちが抱え込んだ空虚な性)
著者等紹介
高崎真規子[タカサキマキコ]
ノンフィクション・ライター。1959年生まれ。二松学舎大学卒業、音楽プロダクション入社。体当たり取材による体験記や人物論、女性の問題などを、『週刊文春』『CREA』『AERA』などの雑誌に発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
19
1970年代までの性に対する価値観から、1990年代までの考察。女性のライフスタイルの変化と共に価値観が変わるのは納得。しかし結局日本人の女性はブームに乗せられやすいということなのかもしれない。マスコミの論調イコール自分の意見になってしまう・・・。若い女性たちには自分の商品価値ではなく、譲れない一線というものもしっかり持っていただきたいのだけれど、私の考えも古いって切り捨てられてしまうのでしょうか・・・。2014/08/14
aya
1
こういう観測を積極的に得たい。2019/08/16
かもはし
1
目次を見て、時代の変化が書いてありそうだったら読んだ。性意識の変遷についてよくわかってよかった。2014/01/15
ハンギ
1
一部の方は読みごたえがあったけど、二部の方は自分の体験を元にしている為か、共感しづらかった。とはいえ、著者は最後にセックス、結婚、家族の意味を大人が考え直さないといけない、と言っていたが、そこには共感できた。しばしば現代は、少女たちが性に対して奔放になってしまった、という話を聞きますが、だが空虚になってしまったのは、社会や個人のあり方そのものなんだよね。その渇きを癒すために性行為をしている少女たちがいる、大体そんなところだと思います。読後、今までぼやけていたところが、少し輪郭を持ってきたように思います。2011/08/15
hikarunoir
0
祖母や母の挫折を撃たず、引用を感想で繋ぎ表題の答えにしようとしてるが、実質媚びへの回帰の真相だった。真面目に書いて欲しい。2013/11/27