内容説明
家族を守るべく一心不乱に働いてきた多くのおとうさんは、その間に家庭・地域で着実に自分の居場所を築いてきたおかあさんから、もはや相手にされないことに気づいていない。熟年離婚が激増する今、定年を前におかあさんとの関係を見つめ直すべく巡礼の旅に出た、ひとりのおとうさんの物語。
目次
はじめに 「定年後の罪滅ぼし」はおとうさんの勝手な妄想
発心のきっかけは、妻の鋭い観察眼
泊まり巡礼で妻の本音にたじろぐ
二日酔い凡夫婦、巡礼者に変身
妻と歩く自然界・人間界・結界
外敵こそが団結のチャンス
甘味を忘れ、あやしい雲行きに
正念場、噴出する妻の不機嫌
男の友情より女の執念
第二の新婚旅行
またもやわざわざ泊まるのは
食べる心配、出る心配
七合目、またもや緊迫
何かが変わりはじめていく
三度目の正直、不機嫌回避
二人だけの露天風呂
冗談から出た真の信心
逞しき女房殿
いやいや、さらに見直しました
花は盛りを
著者等紹介
鹿野島孝二[カノシマコウジ]
1953年東京都生まれ。76年成城大学文藝学部卒業後、トヨタ自動車販売店協会入社。現在、同会事務局長。入社以来、広報担当として同会機関誌の取材・執筆・編集に携わる。北澤瑞史氏に師事して作句を始め、92年、同氏の下、俳誌『季』創刊に関わる。日本の文化・風俗・歴史・神仏に造詣が深い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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K・ITO
4
今度定年退職するから巡礼してみるか…秩父も候補のひとつ2021/03/22
Koji
2
夫婦でいく秩父巡礼の話。土地勘がないせいかイメージがわかない。2015/12/18
よし
0
また巡礼本。こちらは秩父三十四ヵ所観音霊場巡り。四国のスモール版で1週間あれば大体周れるとか。定年を前にして危機感を覚えた夫は、子どもたちも成長し手がかからなくなったこともあり、妻と巡礼をすることに。目指すは四国八十八ヵ所霊場巡りなんだけど、その前に妻の順応度を見ておこうという観察的な動機から。作者は巡礼慣れしていることもあって、参考になりました。妻の方は初めてでおまけに蜘蛛が大の苦手なので、冬の巡礼を選ぶことになるのだが…。「地図と女房は新しい方が良い」など随所に笑いを入れ、満願の暁にわかったものとは。2016/09/12