内容説明
心の発露としての書道。しかし手本や流儀に縛られて、自分を失っていませんか?中国・日本の名筆たちが切り開いた選筆の動きを科学的に分析し、その力と自在な造形力の秘密を解く。できあがった字形をなぞるのではなく、造型と美に向けての、12の技法とコツと練習法を提案する。また、脳科学の知見に照らし、書道の効用についても考察する。新しい書道入門書。
目次
毛筆と脳、運筆と個性。作風
振り子に動かす―横画・縦画を軽やかに運ぶ
旋回を大きく続ける―行書・草書の動きは円運動の連動が基本
筆の執りかた・位置を変える―筆の執りかた・位置によって表現の幅を広げる
筆毛はバネの集まり―筆毛のしなりと、もどりの力を使う
紙離れをすばやく―線質には紙離れの跡によって促される錯覚あり
つまったら入れ直す―運筆は途中できってつないでもかまわない
筆管を回すと線が伸びる―筆管を回すことによって筆毛の働きを助ける
「点」の打ちかたで書法がわかる―「点」は書法の歴史認識と個性の凝縮
一画と二画の間をゆったりと―一画と二画を気字大きく書けると、あとは余力で筆がスムーズ
縦画に集中―縦画がしっかりしていると、一行に柱が立ち、行間の美が生まれる
懐を広くとる―字形の雄大さは懐の広さから生まれる
姿勢づくりを意図する―平衡感覚を保ち、体を自由に働かせる
著者等紹介
魚住和晃[ウオズミカズアキ]
1946年生まれ。三重県出身。東京教育大学芸術学科卒。神戸大学国際文化学部教授。同大学大学院博士課程総合人間科学研究科教授。中日書法文化論、文字文化形象論を専攻。近年は、筆跡学、筆跡鑑定にも新生画を開く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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