生活人新書
江戸川柳で現代を読む

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 217p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784140881361
  • NDC分類 911.45
  • Cコード C0236

内容説明

川柳は人生の機微や世相の欠陥をアイロニカルに描写する。庶民の感情の捌け口であり、同時に庶民のしたたかな知恵も詠み込まれている。本書は、江戸川柳を通して、江戸後期の機構・風俗を明らかにしつつ、当時と状況が酷似している現在の経済低迷、社会混乱を指摘、一七文字の中にある「江戸のアイデア」の援用による解決策を探る。江戸人の人生哲学を暮らしに生かそうとの試み。

目次

第1章 傘を半分かして廻りみち―貧困の中で培われた礼節
第2章 子の使ひ垣から母が跡をいひ―体でしつけた教育
第3章 黒犬を提灯にする雪の道―身についていた「用心」
第4章 店中の尻で大家は餅をつき―世界一清潔な都市、リサイクルで誕生
第5章 旅戻り子をさし上げて隣まで―不況下でも楽しんだゆとり生活
第6章 堪忍のいつちしまいに肌を入(れ)―重視された堪忍の心
第7章 はやり医者楊枝くはえて駕篭にのり―健康志向のアイロニー
第8章 侍が酔ふて花見の興がさめ―権威に対して向けられた鋭い目

著者等紹介

小林弘忠[コバヤシヒロタダ]
江戸史研究家。1937年東京都生まれ。60年早稲田大学教育学部卒業後、毎日新聞社に入社。社会部記者、地方版編集長、情報調査部長、メディア編成本部長を歴任
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Naota_t

1
★3.2/江戸川柳をただ解説する本。「一句でも印象としてのこり、”うん、そうだ、そうだ”と相槌を打っていただければ、本望とするところ」が目的。どの川柳も謎解きのような印象で、数十文字の中に、背景がわかる人だけがメッセージがわかるのが粋だな、と感じた。また、江戸時代の仕事図鑑のような役割も本書では果たしており、知らない職業もたくさん知ることができた。飽食の今に比べたら、もずっとリサイクルが上手で、なんでも使い続ける、アップサイクルするのは見習うところが多い。ーーー「店中の 尻で大家は 餅をつき」(p87)2022/04/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1722794
  • ご注意事項