内容説明
一三〇〇年前の万葉の時代。数々の神話が誕生し語りつがれたその時代に、人々を喜ばせた出来事とは何であったか。また人々を怒らせ、哀しませ、楽しませたものとは何であったか。遺された万葉歌を手がかりに読み解いていくと、千年の時を超えて依然古びない男と女の心のアヤが見えてくる。いつの時代も男と女は事件だった。
目次
第1章 万葉びとの喜び(藤原鎌足の喜色満面;雪にはしゃぐ万葉びと ほか)
第2章 万葉びとの怒り(つばを吐いて怒り、そして呪う姫;皇后はどうしてそんなに怒ったのか ほか)
第3章 万葉びとの哀しみ(フラレ虫の歌;聖徳太子のかなしみ)
第4章 万葉びとの楽しみ(郊外で楽しむ;宴会で楽しむ)
著者等紹介
上野誠[ウエノマコト]
奈良大学文学部助教授。博士(文学)。奈良県万葉文化館万葉古代学研究所副所長。1960年福岡県生まれ。国学院大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得修了。歴史学・民俗学・考古学などの成果を取り入れた万葉研究で、学界に新風を送っている。第12回日本民俗学会研究奨励賞、第15回上代文学会賞を各受賞
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