内容説明
大正期、伝説の落語家・桂春団治の落語をラジオ放送することから始まった上方笑いの放送史。テレビコメディ演出の第一人者である著者が、草創期からの笑いの達人たちの歴史をたどり、かつ、爆笑人気番組をともにつくりあげてきた現在のタレントたちの芸と人となりを熱く語る。
目次
上方落語の人気者・桂春団治
落語対万歳
エンタツ・アチャコの「漫才早慶戦」
「わらわし隊」前線へ
戦時下の笑い、戦後の笑い
ラジオ連続コメディ「アチャコ青春手帖」
聴取者参加番組花ざかり
テレビ時代の幕開け
“元祖”公開番組「番頭はんと丁稚どん」
サラリーマンコメディ「スチャラカ社員」
「てなもんや三度笠」繁盛記
やすし・きよしをリーダーに漫才ブーム
著者等紹介
沢田隆治[サワダタカハル]
テレビプロデューサー。1933年大阪府生まれ。神戸大学文学部卒業。55年朝日放送入社。「スチャラカ社員」「てなもんや三度笠」をはじめ、数多くのヒット作を手がける。75年独立、現在東阪企画代表取締役社長として、情報番組・バラエティ・ドラマなどを制作。地方博のパビリオン演出も多数手がける。また、漫才ブームの仕掛け人であり、多くのタレントを育てる。放送文化基金賞、大阪市文化功労賞、大阪府知事表彰など受賞多数
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感想・レビュー
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fwhd8325
48
芸能史が好きなので、澤田さんの著書も他の方の著書も読んでいます。新しい歴史なので、読むたびに新しい発見と言うことではありませんが、新しい物をつくり出していく熱気を感じます。まだ情報量が少なかった時代でも、上方芸人の名前は浸透していて、子供だった私もギャグを真似たりしました。今は芸人というひとくくりですが、かつては喜劇役者や噺家、漫才師など多彩な面々がそろっていたことを感じます。2002年の著作ですが、すでに現在への警鐘を投げかけている点も興味深いと思います。2020/02/23
いちはじめ
1
朝日放送でまさにその種の番組を数多く手がけたディレクター・プロデューサーの手による、いわば現場の証言。この本がNHKライブラリーから出るというのも何か皮肉な感じだが、内容は(やや手前味噌ながらも)面白い2002/06/29