内容説明
1995年の少女暴行事件で湧き上がった沖縄県民の基地への反発のうねりのなかで、米軍が県民感情を和らげようと打ち出した「良き隣人」政策。沖縄の基地を維持していくために取られた政策だが、「良き隣人」と言うからには、基地の中で何が行われているのか知らないではすまない。その“素顔”を明らかにしようと取材クルーは基地内に入った。そして二〇〇二年、沖縄が本土復帰して三〇年を迎える。
目次
1 最大のプレゼンス海兵隊
2 海兵隊のフロントライン
3 返還が合意された普天間基地
4 米軍の港湾施設
5 極東最大の米空軍基地、カデナ
6 有事への備え
7 基地の生命線
8 変われるか在沖米軍
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
肉尊
22
キャンプ・ハンセンに司令部を置く米軍海兵隊。インド太平洋地域で唯一常時前方展開している即応機動部隊が、かつてデビルドッグス(魔犬)とも称された第31海兵遠征部隊(31MEU)である。沖縄問題は学校のクラスでいうと、教室の一部を帳で覆い工事しているようなもの。本質は留学生のためである。沖縄の子どもたちを盾に正義を掲げる動きもあるが、本著では反対運動には一切触れず、基地内の訓練や実践装備を逐次解説するものだ。約20年前の情報なので、注意。海兵隊はその後、東日本大震災時のトモダチ作戦を展開したことでも知られる。2021/12/15