内容説明
『リグ・ヴェーダ』により幕を開けたインドの思惟。この最古の文献をはじめとする、バラモン教の聖典群の総称がヴェーダであり、ヴェーダの終結部を飾っているのがウパニシャッドである。神々に捧げられる讃歌、宇宙生成論、来世観、梵我一如の思想など聖典の中で繰り広げられる深奥な世界、そして日本に与えた影響を通してインド哲学・思想を考察していく。
目次
1 ヴェーダ(ヴェーダとは何か;バラモン教の思想;ヴェーダの神々と日本;興味ある讃歌;宇宙の創造;宇宙の理法とマーヤー;死後の世界;「アタルヴァ・ヴェーダ」の思想;ブラーフマナの思想;)
2 ウパニシャッド(ウパニシャッドは生きている;ウパニシャッドとは何か;神秘的聖音「オーム」;絶対者と自己との神秘的合一の体験;有の哲学―哲人ウッダーラカの思想;業―ヤージュニャヴァルキヤの教え1;輪廻―ヤージュニャヴァルキヤの教え2;解脱―ヤージュニャヴァルキヤの教え3;哲人ヤージュニャヴァルキヤの出家;人間は死後にも存在するか;唯一神への信仰を勧める;カースト制を批判するウパニシャッド;インド哲学とその流れ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sibafu
2
宗教系とかジャック・ブロスの本を読んでいるとちょくちょく出合う「ヴェーダ」や「ウパニシャッド」という名前の書物。詩のような形で哲学らしきものが語られている断片を見た記憶があり、もうちょっと知ってみようと思い手に取った『インド哲学へのいざない』。読み易いが難しい。なぜなら正に「禅問答」のようなことが語られているのだから。アートマンとブラフマンは区別されているのだな、と思っていた矢先にこの二つは同一だ、という文章もあったりと度々混乱する。でもわからないなりに面白く、もうちょっと理解したくなった。2014/10/30
しょ~や
1
非常に面白かった。これまでちょこちょこと読んできたものが整理された気がする。2018/05/01
雨ノ森
1
入門本かと思いきや、インド哲学をヴェーダやウパニシャッドを通して解析したなかなかの難物でした。ややこしく、知らない語が多く、どことなく読みづらい。ですが古来からの宗教や思想をたどっていくと、我々日本人とはまた異なる土壌で育まれたそれらはそれなりに面白かったです。深く理解はできなかったけど、インドにおける宗教観、思想観などをおぼろげながらも感じました。2013/03/19
Masa199802
0
全然わからなかった。再読の必要あり。時間を空けてまた読んでみようと思う2017/02/16
三条院アルパカ
0
ウパニシャッドとか梵我一如とか高校で覚えさせられたものの、インド界隈の哲学に触れたことがなかったので手にしてみた。神話の固有名詞を読み飛ばせば読みやすい良い本だ。見つけたり削ったりしてアートマンを把握して確立させてブラフマンと合一する境地を目指すというように受け取ったが、ここから先この思想を突き詰めて学べる部分はあるのだろうか。とりあえずもう一冊シャンカラの思想について書いてある本を読んでみようと思う。ヒンドゥー教やジャイナ教関連の本も少し読んでみようかな。2016/12/22