出版社内容情報
日頃、何気なく飲んでいる煎茶にも、長い歴史と深い精神的世界がある。中国の唐代の陸羽、廬同から始まった煎茶の歴史とあり方を探求した人々の内面世界を追求。わが国での煎茶の展開も解説する、煎茶入門の決定版!
内容説明
煎茶の魅力。日頃、何気なく飲んでいる煎茶にも、長い歴史と深い精神的世界がある。中国唐代の陸羽、盧同から始まった煎茶の歴史と、煎茶のあり方を探究した人々の、内面の世界とその理想像を追求する。そしてわが国への伝来と受容の様子を探り、現在に至る「煎茶の世界」を平易に解説。煎茶入門の格好の書。
目次
序章 煎茶の誕生
第1章 煎茶精神の源流
第2章 喫茶文化の将来
第3章 煎茶の再来
第4章 煎茶道の成立
第5章 煎茶と文人
第6章 煎茶の新世紀
第7章 煎茶の知識
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chang_ume
6
煎茶道小川流家元による煎茶史入門。近世に隆盛した煎茶趣味について、唐詩人廬同『茶歌』に詠まれた「清風」の境地にルーツを求めながら、隠元、売茶翁、上田秋成、頼山陽、田能村竹田などの事績とあわせて通史を概略する。老荘思想や文人趣味、さらには反権威・反権力のカウンターカルチャーとしての煎茶趣味の内実がよく理解できた。ただ、近代和風文化に対する煎茶趣味の影響が近年のとりわけ庭園史分野にて指摘される一方で、本書では近代以降はほぼふれられず。著者の中で、煎茶とは近世文化としての位置づけが強いようだ。1998年刊。2025/01/06