内容説明
「水」は地球上で最も不思議な性質をもち、また多くの生命をはぐくんできた。しかし、我々はあまりにも乱暴に水を扱ってきたのではないか。そして今や、人類の生存基盤そのものが危機に瀕している。戦前からの日本のさまざまな環境問題を「水」という視点から分析し、新たな「水」思想を導きだす。弱者の視点に立つ、市民のための環境科学の提唱。
目次
第1章 私の仕事
第2章 水の不思議な性質
第3章 水は天下のまわりもの
第4章 足尾鉱毒事件―闘いの遺産
第5章 戦後公害―加害と被害の構造
第6章 水俣からの教訓
第7章 地球を汚染したPCB
第8章 河川汚濁との苦闘
第9章 湖沼、沿岸、地下水の汚染
第10章 問題だらけの下水道
第11章 沖縄―日本列島の縮図
第12章 産業構造の変化と水
第13章 海洋汚染と市民の環境科学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山口透析鉄
26
市の図書館本で読みました。1996年の本で、NHK人間大学の内容を本にまとめたようです。 水の不思議な性質(4℃で比重が1番重くなる、等々)の重要性と水素結合の話や、槌田敦・中西準子といった優れた研究者の紹介もあれば、足尾銅山に始まる日本の公害の歴史もかなり詳しく出ていました。 否定論者の類、概ね東京大学医学部とかから出てきますので、これは原子力災害等と同じ構造があります。 公害対策が進まないので実力行使に出た「高知パルプ生コン事件」などの記事も。 下水道政策は橋本淳司氏の本とも同様でした。2024/06/24
今夜は眠れない
4
再読2016/06/24
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- 和書
- 狂騒と萎縮の経済学