“弱さ”から読み解く韓国現代文学

個数:
電子版価格
¥1,870
  • 電子版あり

“弱さ”から読み解く韓国現代文学

  • ウェブストアに4冊在庫がございます。(2025年05月20日 04時46分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 46判/ページ数 240p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140819791
  • NDC分類 929.13
  • Cコード C0095

出版社内容情報

物語のなかの〈弱さ〉が、読む人の心に光を灯す

どの作品も、〈弱さ〉を正面から描いているから――。
著者が数々の作品の翻訳を手掛けるなかで、「なぜ韓国現代文学に魅せられるのか」を自らに問い、深く考えてたどり着いたのが、この答えでした。

〈弱さ〉とは、自らの意志とは関係なく選択肢を奪われた状態のこと。その視点で、『82年生まれ、キム・ジヨン』をはじめとする多彩な13の作品を読み解きながら、そのメッセージを探り、魅力を掘り下げます。一つひとつの物語を丁寧にたどっていくと、この暴力的な現代社会を生きるための道が照らし出されるはずです。

2023年1月~3月にNHKラジオ第1「カルチャーラジオ 文学の時間」で放送された同名の講座、待望の書籍化!

第一章:試練の歴史と作家のまなざし――パク・ミンギュ『亡き王女のためのパヴァーヌ』
第二章:ある女性が〈ひとり〉になるまでの物語――チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』
第三章:性暴力を「信じてもらえない語り」で描く――カン・ファギル『別の人』
第四章:「普通」の限界、クィア文学が開けた風穴――パク・サンヨン『大都会の愛し方』
第五章:経済優先社会で行き場を失う労働者――孔枝泳『椅子取りゲーム』
第六章:植民地支配下、声を上げる女たちの系譜――パク・ソリョン『滞空女 屋根の上のモダンガール』
第七章:民主化運動、忘却に静かに抗う――キム・スム『Lの運動靴』
第八章:セウォル号沈没事件・キャンドル革命と〈弱者〉――ファン・ジョンウン『ディディの傘』
第九章:「子どもが親を選べたら」少子化が生んだ想像力――イ・ヒヨン『ペイント』
第十章:社会の周縁から人間の本質を問う――キム・ヘジン『中央駅』
第十一章:あり得たかもしれない、ハッピーエンドの物語――チョン・セラン『シソンから、』
第十二章:高齢女性の殺し屋が問いかける〈弱さ〉――ク・ビョンモ『破果』
第十三章:弱くある自由を叫ぶ――チョ・ナムジュ『私たちが記したもの』
〈弱さ〉から始まる未来を想像する――あとがきにかえて

内容説明

本書における“弱さ”とは、自らの意志とは関係なく、選択肢を奪われている立場のこと。激動の歴史、そして暴力的な社会のなかで、声を奪われ、人生の断崖に追い詰められる―。そんな“弱さ”に置かれた人々の思考と格闘を、韓国現代文学は、リアルに、真摯に描いている。そこに込められた「声」を聴き取るために、一つひとつの物語を、丁寧にほどいていく。NHK「カルチャーラジオ 文学の時間」で放送されたラジオ講座が待望の書籍化!

目次

試練の歴史と作家のまなざし―パクミンギュ『亡き王女のためのパヴァーヌ』
ある女性が“ひとり”になるまでの物語―チョナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』
性暴力を「信じてもらえない語り」で描く―カンファギル『別の人』
「普通」の限界、クィア文学が開けた風穴―パクサンヨン『大都会の愛し方』
経済優先社会で行き場を失う労働者―孔枝泳『椅子取りゲーム』
植民地支配下、声を上げる女たちの系譜―パク・ソリョン『滞空女 屋根の上のモダンガール』
民主化運動、忘却に静かに抗う―キム・スム『Lの運動靴』
セウォル号沈没事件・キャンドル革命と“弱者”―ファン・ジョンウン『ディディの傘』
「子どもが親を選べたら」少子化が生んだ想像力―イ・ヒヨン『ペイント』
社会の周縁から人間の本質を問う―キム・ヘジン『中央駅』
あり得たかもしれない、ハッピーエンドの物語―チョン・セラン『シソンから、』
高齢女性の殺し屋が問いかける“弱さ”―ク・ビョンモ『破果』
弱くある自由を叫ぶ―チョ・ナムジュ『私たちが記したもの』

著者等紹介

小山内園子[オサナイソノコ]
韓日翻訳者、社会福祉士。NHK報道局ディレクターを経て、延世大学校などで韓国語を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイティ

32
「弱さ」や「痛み」が韓国文学の主軸という印象はあったが、こうして「弱さ」の解像度を上げると、各作品を深く理解することができた。女性作家だと総じてフェミニズムに集約されてしまうが、主義や主張でなく自分たちがなぜこうなのかを分解していった先にあるもの。傷ついた、つらかったことにようやく向き合いだした切なる声のように感じる。文学にしかできないことがあり、だから必要なのだと痛感。小山内さんの自著は初めてだけど、明瞭で論理的。テーマを絞り掘り下げられたブックガイドとして、学ぶことや考えさせられることが多々あった。2024/11/27

かふ

18
カルチャーラジオ「文学の時間」で聴いていたのでざっと読んだ。実際にその作品を読んだりしたのだが韓国文学の魅力はメッセージ性の強さだろうか。それは弱者の立場から来ていて自然フェミニズムが多くなる。日本では行き過ぎフェミニズムとされているが、韓国は日本以上に儒教色が強く男尊女卑だった。その疑問が村上春樹などの日本のポップな作品を読んだ世代が日本では女性が自由だと感じたようだった。さらに女性作家の発言が強まって、ハン・ガン(この本では出てこない)とかファン・ジョンウン(一番好き作家)とか出てきたのだろう。2025/01/15

チェアー

10
韓国の作品には「読み逃げ」を許さない空気がある。読んでしまったからには、お前はどうするんだ、何をするんだと迫られているような感覚がある。変わらなければ、自分たちが生きる場所がないと言っているように。 2025/01/20

しゅー

9
★★桜庭一樹『読まれる覚悟』の参考図書。社会に対するメッセージ性が強い小説が敬遠されがちな日本と、逆に小説とは社会に対して物申す責任があると考える韓国。そんな日韓を対比させる文脈で本書は紹介された。著者は韓国の小説が発信するメッセージを「弱さ」と言うキーワードで読み解いていく。本書に登場する作品のうち『82年生まれキム・ジヨン』と『破果』は既読だった。前者について、読者の過度な感情移入を妨げることで「物語として消費して終わり」になることを防いだとの指摘が印象に残る。そして『シソンから、』を読みたくなった。2025/05/01

二人娘の父

8
先日のKBOOKフェスでお会いした著者による、韓国文学評論。NHKラジオで放送されていたのも途中から拝聴した。実は声に惹かれてしまったことを思い出す。紹介された本を、本書で答え合わせをするように読み進んだ。ハン・ガン氏のノーベル文学賞受賞など、放送時よりも内容的に大きく充実・補強されている。自分では読むことのできない文字で書かれた文学を読むことができるのは、当たり前だが翻訳者がいるからこそ。そしてその翻訳者がどのように社会をとらえ、関わっているかは決定的な要素の一つでもある。そのことを再確認させられる。2024/12/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22222254
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

最近チェックした商品