出版社内容情報
自らの戒めと内省こそが、共生への道となる。
名君と名高いローマ皇帝が、自己の内面と徹底的に向き合って思索を掘り下げ、野営のテントで?燭を頼りに書き留めたという異色の哲学書。困難に立ち向かう人を勇気づけ、対人関係に悩む人へのヒントに満ちた不朽の名著を、『嫌われる勇気』で知られる岸見氏がやさしく解説する。書下ろしとなるブックス特別章も収載!
内容説明
名君と名高いローマ皇帝が、自己の内面と徹底的に向き合って思索を掘り下げ、野営のテントで蝋燭の灯を頼りに書き留めたという異色の書。迷いや弱さを包み隠さず披歴する一方で、それを強い言葉で戒めて人としてあるべき指針や理想を示す。対人関係に悩んだり生きづらさを覚えたりする人へのヒントにも満ちた不朽の名著を、様々な補助線を示しながら読み解く。
目次
はじめに 生きづらい今にこそ読まれるべき針盤の書
第1章 自分の「内」を見よ
第2章 「他者」と共生する
第3章 「困難」と向き合う
第4章 「今、ここ」を生きる
ブックス特別章 生の直下で死と向き合う
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろし
96
自省録の学術的な分かりやすい解説書と思って買ったのだが、著者・岸見一郎氏の個人的な体験に即して、自省録をどう読みどう活かすかを紹介した本と言えるだろう。岸見氏は母親が大病を患い連日泊まりがけの付き添いの合間に自省録を読み返し、自身に降りかかる災厄を冷静に捉え適切に立ち向かって行こうとするアウレリウスの姿勢に感銘を受けたそうである。起こってしまった災厄をどのように捉えるかは自分次第であるというところが自省録のポイントの一つで、人生には耐えられない災厄は起こらないと考えることが力になるということである。2023/05/09
きみたけ
51
過去の名著に触れようと思いチョイス。2019年4月にNHKのEテレで放映された「自省録」のテキストを底本として加筆修正し、新たに特別章「生の直下で死と向き合う」を収録した一冊。名君と名高いローマ皇帝が、自己の内面と徹底的に向き合って思索を掘り下げ、野営のテントで蝋燭の灯を頼りに書き留めたという異色の書。「自省録」を読んで現代人が考えなければならないことは、人の生死は善悪無記であり、ただ生きるのではなく「善く」生きることに価値があるとの考えにあること。「メメント・モリー」とは「死を忘れるな」の意。2024/03/29
なの
14
自分で考えていかなければ意味がない。 その通り、その通りだけど、なんと高い壁であることか。孤独だ。2024/05/13
Iwata Kentaro
9
外れのない100分シリーズ。本書も例外ではなく、実に面白かった。2023/05/29
4492tkmt
8
このシリーズは初読み。著者が岸見一郎なので、かなりアドラー心理学に寄せてきている感が否めない。ご自身の経験も踏まえているので、死生観についてもかなり紙面が割かれている。(新聞じゃないから紙面とは言わない?)。自省録を読めば、単純に、2000年前の皇帝も現代人と同じような悩みを抱えているんだと思ってしまう。「そんなに真面目にやらなくてもいいんじゃない?」「ちょっと生真面目過ぎない?」「たまには、ネロみたいに歌でも歌ってみれば?」とでもいいたくなるし、現代にあなたがいたらどう生きるのか聞いてみたくなる。2024/10/14
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