シリーズ・戦後思想のエッセンス<br> 三島由紀夫―なぜ、死んでみせねばならなかったのか

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シリーズ・戦後思想のエッセンス
三島由紀夫―なぜ、死んでみせねばならなかったのか

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  • サイズ 46判/ページ数 144p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140818329
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0010

出版社内容情報

これ1冊で作家の全体像がつかめる

戦後日本社会のスーパースター、ノーベル文学賞候補にもなっていた天才はなぜセンセーショナルな最期を迎えたのか? 従来、作品に三島の天稟を認め心酔する読者も、1960年代からの彼が見せていた右翼的行動とその劇的な自決に対しては評価を保留する傾向――いわば作品と作家(思想)を分離する傾向があった。しかしもうこの分離は必要ない。彼の「言葉」が「行動」を求めたのは必然だったのだ。本書は、三島自身が「これがわかれば僕の全部がわかる」とした作品論『太陽と鉄』に基づいて作家履歴を3つに分けて読み解き、天才少年が肉体右翼として自決に至るまでを必然的な1本の筋道として描く、万人向けの入門書である。

内容説明

ノーベル賞候補だった日本社会のスーパースターは一九七〇年、自衛隊に乗り込んで派手な自決を遂げる。この事件のもつ意味を、どうすれば理解できるのか?その最大の鍵は、自伝的作品『太陽と鉄』にあった。「これがわかれば、僕のやっていることが全部わかる」と三島自身が評した本作に基づいて、本書は、「言葉」と「現実」の関係の必然的な展開として、作風の変遷と作家の「思想」の構造を精確に描き出す。衝撃の「三島事件」から半世紀後にようやく登場した、気鋭の批評家による簡明かつ本格的な三島由紀夫論。

目次

序章 「本当のことを話して下さい」(三島由紀夫のドッペルゲンガー―「荒野より」;三島由紀夫の「秘められた思考」―『太陽と鉄』の弁証法;三島由紀夫の「思想」を読むということ―本書の方法)
1 「椿事」を夢見る少年(「女の部屋」から生まれた文学―三島由紀夫の幼少年期;白蟻に蝕まれた白木の柱―『太陽と鉄』(1)
少年のナルシシズム―「酸模」と「詩を書く少年」
イロニーとしての「海」―日本浪曼派と「花ざかりの森」
「椿事」を夢みる少年―「煙草」が描く火事)
2 古典主義の「resignation(忍苦・諦念)」(「戦後」に生き延びてしまうということ―三島由紀夫の挫折;「夜の思考」から抜け出すために―『盗賊』から『仮面告白』へ;「太陽」に照らし出された「肉体」―『太陽と鉄』(2)
古典主義の「rosignation(忍苦・諦念)」―「海と夕焼」
三島由紀夫の「コンフェッション」―『金閣寺』)
3 「われら」に向けての跳躍(永続することのない「陶酔」―『鏡子の家』のニヒリズム;「死」を呼び寄せる「肉体」―『太陽と鉄』(3)
「至福」というものの姿―「憂国」と二・二六事件
「敗北」の形而上学―「天皇」・『サド侯爵夫人』・『わが友ヒットラー』
「われら」に向けての跳躍―『太陽と鉄』と「文化防衛論」)
終章 「肉体」より先に「言葉」が訪れるということ(三島由紀夫の「宿命」―エピローグ「F104」;「安全弁の欠如」について―「林房雄論」;戦後日本とポストモダン―三島由紀夫と私たち)

著者等紹介

浜崎洋介[ハマサキヨウスケ]
1978年生まれ。文芸批評家。雑誌『表現者クライテリオン』編集委員、すばるクリティーク賞選考委員、日本大学非常勤講師。日本大学芸術学部卒、東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻博士課程修了、博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ころこ

39
三島にとって、言葉には矛盾した二つの側面があった。精神と肉体が一致する瞬間を夢想する三島は、ひとつには言葉によってしか肉体を描くことができない。他方で、その言葉は肉体を腐食させてしまう。彼にとって言葉と肉体は非対称なのだ。この外部に出るためには、精神と肉体を一致させるためには、言葉によらない肉体を得ることが必要だ。言葉の中に閉じ込めていた世界を滅ぼす。つまり死ぬことのできる肉体を持つこと以外にないと考えた。肉体より先に言葉が与えられてしまった卑小な存在。これが三島の制約(苦悩)であり、同時に才能であった。2022/12/02

無重力蜜柑

14
去年、河出文庫版の『英霊の聲』を読んで感銘を受けた(特に「憂国」に)が、三島由紀夫はそれ一冊しか読んでいない。というのも、正直なところ自分は彼の政治性にしか興味がなく、それが如実に現れている小説は「英霊の聲」「憂国」くらいらしいからだ。他の作品はまさに自分の苦手な「純文学」という感じで手が伸びない。そろそろこの状況から脱したいので、見取り図のつもりで手に取った本書だが、かなり良かった。三島の生い立ちから始めて戦前戦中期、古典期、右翼期へと、彼の思想と文学性がいかに変転していったのかが明瞭に描かれている。2024/03/01

かんがく

12
豊饒の海を読み終わったので読んでみた。「精神」と「肉体」、「言葉」と「存在」、そして「死」を鍵概念として、三期に分けた三島の作品をそれぞれの時期の代表的短編と、『太陽の鉄』を中心に分析していく。短い本だが、三島の問題意識や思想背景を掴むことができた。2022/11/13

たつや

6
三島由紀夫作品を今年になってから、集中的に読んだが、知らない世界に足を踏み入れた感が強く、心地良くもある。きっかけは、三島由紀夫の生誕百年が今年である展示を図書館で見てからだ。図書館に感謝する。本書では年表もあるので、三島由紀夫はペンネームという初歩から、おさらい?知らない事が多いので、学びが多い一冊でした。まだ謎は多い。2025/04/20

はな

6
三島由紀夫が市ヶ谷駐屯地で切腹して果てるまでの精神遍歴をその作品とともに読み解いた思想書。はじめに言葉ありきで生まれてきて、文学的成功を収めた三島由紀夫は、解釈によって事実が変わる言葉より肉体を手に入れ、戦後の政治変遷という敵を作り、青年の仲間と共に自己の存在を証明する。天皇という太陽に近づきすぎて自らを滅ぼすイカロスのように、そうせずにはいられない宿命につき動かされたのだ。著者の三島に関する文学的、精神的な分析は的確で説得力がある。自決の真実を見事に我々に 提出している名著だと思う。2023/07/20

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