出版社内容情報
喪失の時代、私たちを支える「他者」との邂逅
古今東西の哲学者、宗教家、詩人、作家、そして無名の人々の言葉を引用し、「生きがい」とは何かを論じた神谷美恵子の『生きがいについて』。刊行から50年以上読み継がれるこの一冊は、神谷美恵子の生涯や他の作品に照らすとき、作家自身の精神的自叙伝としての姿を現す。誰かのために、何かのために必要とされることこそが「生きがい」であると考えた神谷は、一度は見失った「生きがい」をいかにしてふたたび見いだしたのか――。東日本大震災という「大きな喪失」を経験し、新型コロナウイルス禍という試練のなかにあって、わたしたちが「生きがい」を回復する方法について考える。
内容説明
東日本大震災や新型コロナウイルス禍といったさまざまな困難のなか、失われた「生きがい」をいかに取り戻すか―。岡山県のハンセン病療養施設・長島愛生園で精神科医として働いた神谷美恵子が、『生きがいについて』等の著作で描き出した「極限状況を生きる患者たちの姿に見出した希望」をヒントに、私たち自身にとっての生きて行く意味を考える一冊。
目次
はじめに―「生きがい」との出会いを求めて
第1章 「生きがい」とは何か
第2章 名無き賢者たちとの協同
第3章 避けがたい試練と向きあう
第4章 生きる希望はどこにあるのか
第5章 生きがいをつなぐ
おわりに―平凡な心のくみかえの体験
著者等紹介
若松英輔[ワカマツエイスケ]
1968年新潟県生まれ。批評家、随筆家、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。2007年「越知保夫とその時代 求道の文学」にて第14回三田文学新人賞評論部門当選、2016年『叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦』(慶應義塾大学出版会)にて第2回西脇順三郎学術賞受賞、2018年『詩集 見えない涙』(亜紀書房)にて第33回詩歌文学館賞詩部門受賞、『小林秀雄 美しい花』(文藝春秋)にて第16回角川財団学芸賞、第16回蓮如賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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