出版社内容情報
上皇さま上皇后さまの平成30年から退位までの動静を報告する
沖縄など戦跡への慰霊の旅、福島・北海道・広島ほか被災地訪問など、平成最後の一年、天皇皇后両陛下はさまざまな場所を訪れている。ニュース報道では一部しか紹介されない取材メモ、丁寧な事前調査、関係者への聞き取りなどを通じ、同行取材した記者の目線で、両陛下の行動を振り返る。
内容説明
上皇さま上皇后さまの平成30年から1年余りに同行取材し、詳細に書き綴った、宮内庁記者による現場報告。
目次
第1章 沖縄の歴史と向き合う
第2章 福島訪問―被災者に寄り添う
第3章 北海道訪問―北の島へ
第4章 戦没者追悼式
第5章 被災地お見舞い
第6章 最後の三大行幸啓・海づくり大会
第7章 園遊会
別章 皇后さま
第8章 弱者に寄り添う
第9章 最後の記者会見
第10章 新年行事
附章 天皇陛下退位にあたって
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蒼
22
皇室に対して様々な意見や政治的思考がある事は知っているつもりだ。政治的な難しくて面倒な事は分からないが、そういった側面全て取っ払って自分はこの本で語られる「天皇陛下ご夫妻」を敬愛してやまない。改めてその思いを強くする読書だった。退位した今お好きな魚類の研究などをされて、ごゆっくり日々をお過ごしされていていただきたいと思う。ニュースでは報じられることの無いお姿に一度ならず落涙。2020/02/11
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
8
平成の終焉の記録本には何冊か触れたが、最も密度の濃い一冊だと感じた。末長く手元に置きたい。 天皇退位報道第一報を報じたNHKだけに記録はリアル。記者が本の中で「(退位の意向について)やすやすと報じることなどできない、しびれるような重大な話だと感じました。」と述べているが、そこに記者の良心を感じた。 明仁天皇は最後の一年でこれまでの集大成のような活動をした。しかし、このような働きが出来たのも30年の経験の積み重ねがあってのこと。それ故、即位したばかりの新天皇に過剰な期待をするのは禁物だとも思わされた。2020/04/13
ときわ
8
ここでの天皇陛下とは今の上皇陛下のこと。タイトルは最後の一年とあるが、平成全部を振り返ったり昭和にさかのぼる場面も。昭和天皇は戦前に即位され、その後象徴天皇に。現在の天皇は生まれた時から天皇制は象徴。平成の天皇は戦争を体験し、境遇が激変。3人とも独自に天皇制と向き合っている。恵まれた生まれのようでいて選択肢は全く無く、天皇の役目を背負うしかない。よくもまあここまで真面目に取り組んでくださったことだと、尊敬と感謝の念がわいてきた。ずっと見続けたNHKの記者の思い入れが強いように感じたが、それも当然だろう。2020/01/30
参謀
1
平成最後の一年のドキュメントかと思いましたが、過去のことも交えての本。摂政を置くのではなく、「象徴としての務めを果たせる者が天皇であるべき」とのお言葉は凄く重みを感じました。80歳を越えての公務は大変であるのはもちろん、一般人ならとうの昔に定年退職をし、悠々自適に暮らす年齢。それなのに自分から辞することを軽々しく口にできないお立場という…平成天皇は戦時を経験し、象徴として即位した天皇。被災地訪問など印象が強く、国民に寄り添った天皇だったなと誰もが思っていると思います。尊敬に値する御人だと思います。2024/07/04
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