内容説明
思いやりがなく、自己中心的で、破滅的だが、一方で自信にあふれ、カリスマ性があり、冷静に目的を達成する有能なサイコパスがいる。「光」と「影」両方の性質を解き明かし、典型的なサイコパス観をくつがえす社会心理学のニューウェーブ。大統領も、CEOも、凄腕スパイも、じつはサイコパスだった!?「犯罪者」と「成功者」、その分かれ目はどこにあるのか。
目次
1 サソリのひと刺し
2 サイコパスとは何者なのか
3 闇に潜む光
4 人生で成功するヒント
5 サイコパスに「変身」する
6 七つの決定的勝因
7 正気を超える正気
著者等紹介
ダットン,ケヴィン[ダットン,ケヴィン] [Dutton,Kevin]
1967年、ロンドン生まれ。心理学者。ケンブリッジ大学セント・エドマンズ・カレッジのファラデー科学・宗教研究所を経て、オックスフォード大学実験心理学部教授。英国王立医学協会およびサイコパシー研究学会会員。さまざまな「社会的影響」の研究における第一人者
小林由香利[コバヤシユカリ]
翻訳家。東京外国語大学英米語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジョンノレン
53
実父が決して犯罪は犯さないがサイコパスの傾向を有していたという著者が、社会順応的・反社会的問わずサイコパスに関わる数多の研究成果を辿る。いずれも研究途上というか人格という極めて個性的な拡散を生ずるグラデーションを分かりやすく特定していく難しさが浮き彫りとなる。ビジネスシーンではカリスマ性、リスクテイク、難しい決断等に展開。勝者系の特徴は非情さ、魅力、一点集中力、強靭な精神、恐怖心の欠如、マインドフルネス、行動力。犯罪系では歩き方で犯人優位如何を本能的に察知しターゲットを定めるとの怖い話も。2024/12/30
Y2K☮
48
サイコパス=凶悪犯罪者とは限らない。再読を思い立ったきっかけはプロレスラー飯伏幸太の自伝だし、CEOや外科医、弁護士、特殊部隊の軍人にもこのタイプが多い。今やるべき事への一点集中力、自信、恐怖心の欠如、冷静さ、見返りの大きい時だけリスクを恐れぬ行動力・・・あとは他人を見抜く共感性の高さ、義理や道徳に必要以上に縛られない鈍感力。これらの調整つまみを体得し、TPOに応じて必要な力を必要な分だけ高められる様になれば、頭脳、体、ゲームの三角がフローを生む=サイコパシーが成功への武器となる。創作に活かさぬ手は無い。2016/07/14
ロア
31
「今度、恐ろしい目に遭ったら、こう思え。『怖いと感じていなかったら、自分はどういう行動を取るだろう』。そしてそのとおりに行動しろ」ブロードムーア病院のサイコパスたちがやたら魅力的(*´Д`*)ある意味、生まれついてのマインドフルネス実践者であるサイコパスは、聖人的特質を兼ね備えているとも言えるのです。知能指数が高ければ社会的な成功者になれるし、低ければ冷酷な犯罪を繰り返し刑務所入り。ちなみに、イギリスで最もサイコパス度の高い職業は企業のCEO、サイコパス度が低いのは介護士との事。2019/08/11
ntahima
27
【市図書18】サイコパスと聞くと我々世代なら『サイコ』のノーマン・ベイツ、下の世代なら『羊たちの沈黙』のレクター博士を連想する人が多いのではなかろうか?しかし本来サイコパスとは疾病ではなく気質のことであり実際に猟奇的犯罪を引き起こす者は稀とある。それどころか経営者、弁護士などの社会的成功者も多い。007ジェームズ・ボンドなどは典型的なサイコパスに分類されるらしい。本書ではサイコパス的特質を持った人間が自然淘汰をどう潜り抜けて今も人口の一定比率を占めているかを考察している。サイコパス版「トロッコ問題」あり。2015/10/09
たまきら
24
面白いなあ。要は「適材適所」「バカとハサミは使い様」なのだ。う~む、興味深い。2017/02/07