乾燥標本収蔵1号室―大英自然史博物館 迷宮への招待

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  • サイズ B6判/ページ数 451,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784140814734
  • NDC分類 406.9
  • Cコード C0040

内容説明

博物館には、別の顔がある。展示室の裏側に縦横に広がる巨大な迷路、人目に触れることのない秘密のコレクション、繭のような小部屋で一心不乱に研究にのめり込む人々。なかでも世界最大級の大英自然史博物館には、ここでしか通用しない大原則がある。いわく、「なにものも永遠に捨ててはならない」「おしゃれをしてはならない」「粗忽者と言われるくらいがよい(研究以外では)」。古生物学の世界的権威である著者が、30年間を過ごした古巣の素顔と、そこに生息する浮世離れした住人たちの姿を、軽妙な語り口で綴った「大英自然史博物館全史」。

目次

第1章 舞台裏への入り口
第2章 「分類」との闘い
第3章 雄弁な化石たち
第4章 恵みの動物界
第5章 美しき植物劇場
第6章 小さなつわものども
第7章 眠れる原石
第8章 「ノアの方舟」の軌跡
第9章 変わりゆくミューズたちの館

著者等紹介

フォーティ,リチャード[フォーティ,リチャード][Fortey,Richard]
1946年生まれ。古生物学者。長年勤めた大英自然史博物館古無脊椎動物部門主席研究員を2006年に退任。英国古生物学会会長、ロンドン地質学会会長、ブリストル大学科学技術公衆理解担当客員教授などを歴任。ロイヤル・ソサエティ会員。マイケル・ファラデー賞など数々の学術賞を受賞。専門はオルドビス紀の三葉虫と筆石類の進化・生態・体系学

渡辺政隆[ワタナベマサタカ]
サイエンス・ライター。専門は進化生物学、科学史、サイエンスコミュニケーション。独立行政法人科学技術振興機構、科学コミュニケーションスーパーバイザー。日本大学芸術学部、奈良先端科学技術大学院大学、和歌山大学の各客員教授を兼務

野中香方子[ノナカキョウコ]
翻訳家。お茶の水女子大学教育学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

魚京童!

21
自然を分類する証拠となるものは、だれの目にも明らかな客観的な形態、すなわち分岐論の分析リストに列挙される特徴に基づくべきであり、学問の神殿に住まう全知なる賢人の神秘的な解釈によるものであってはならない。2015/02/05

袖崎いたる

13
国立科学博物館での大英自然史博物館展への予習として読む。著者は古生物学者でその博物館に勤務していた元研究員。自然史博物館をマーヴィン・ピーク作品の幻想迷宮に喩えつつ、自分がその場に魅せられた経緯にはじまり、迷宮の探検を読者とする態で研究者やその仕事などを紹介していく。人事上での俗っぽい権力欲やら下半身にまつわるスキャンダルまでをも取り上げるので、著者が同僚に皮肉られたように暴露本の謂いも十分可能だろう。ぼくにも十分適応できる戒めのエピソードとして、レスリー・ベアストウという完璧主義の人物は覚えておこう。2017/04/11

たみ

7
250年以上の歴史がある大英自然史博物館の[裏側]で働く人々を中心に記した本。過去・現在・未来の地球に思いをはせることができるのも彼らがいてこそ…なのだが、よたよた歩く酔いどれクジラマン、役人の勘違いで戦時中に暗号解読にまわされちゃった海藻マン(大活躍)、蚊に没頭して家族旅行を忘れ出勤した人など…、僭越ながら愛くるしすぎてロマンティックが止まらない!呪いのアメシストの写真には思わずゾ~ッ。非常に好奇心を刺激されると共に、人類にとって益・不益で研究を重視・軽視するのがいかに危ういかも知ることができた。2014/02/11

misui

7
ゴーメンガースト城にも見立てられる大英自然史博物館を、古生物学の世界的権威である著者がユーモラスに案内する。各分野・歴代の研究者のエピソードが語られたかと思えば、合わせてそれぞれの分野の知見、特に根幹をなす分類学の考え方が述べられ、博物館と研究の意義がやさしく理解される。著者自身が属すところの古いタイプの分類学者を懐かしみつつ、アーカイブとしての博物館利用やネット目録といった将来の展望もフォローされているのがグッド。肩の力を抜いて楽しめる。2012/04/26

マサ

6
あの「生命40億年全史」の著者の大英自然史博物館ガイドということで読んだ。やはり面白い。変わり者の科学者が次々と登場しユーモアあふれる語り口で紹介される。まあ、いろんな分野の専門家がいるものですね。その研究が生物多様性に大きな役割を果たしているという著者の熱い思いが伝わってくる。2016/10/15

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