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NHKスペシャル 日本人はなぜ戦争へと向かったのか〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 236p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140814642
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0095

内容説明

高揚を創出した戦争報道の知られざる側面、開戦を決断したリーダーたちの驚くべき実態。新資料が明かす「なぜ」への回答とは。新たな角度から太平洋戦争までの道のりに光をあてた「メディアと民衆」と「指導者」を収載。井上寿一、ジョン・ダワー、佐藤卓己、半藤一利ほかによる最新の「読み解き」も収載。

目次

第3章 メディアと民衆―“世論”と“国益”のための報道(“熱狂”はこうして作られた;世論とメディアによる戦意高揚;横並び報道と被害者意識;ラジオが導いた戦争への道のり)
第4章 指導者―“非決定”が導いた戦争(開戦・リーダーたちの迷走;“非決定”という恐るべき「制度」;アメリカの誤算;一九四一年、開戦までのアメリカ)
日米開戦史を再考する
対談 太平洋戦争開戦前の「日本と日本人」(半藤一利・松平定知)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たまきら

38
メディアの責任。そこが丁寧に描かれていることにほっとしましたが、やはり現在への視点をもう少し入れてほしかったです。半藤さんと松平さんの巻末対談が非常に胸に残ります。「…漠然とした不安感や無力感、国家を率いる人たちへの懐疑など、国民の中に鬱積していたもの」が開戦へとつながっていく…。柔軟に問題に対応し、共存する道を選択していきたい、と改めて強く思いました。2021/05/13

skunk_c

21
メディアと指導者の開戦への責任について。メディアについては「売れること」が経営上の至上であることと、「負け戦」を知らず、戦勝報道で部数を伸ばしてきたことが大きいわけで、こうした可能性が現在もあることを肝に銘じておきたい。そしてゲッベルスの手法などを考えると、「報道の中立」を政権が叫ぶ怖さを感じる。一方の決断なき指導者については、既知の議論だが、ダワー氏の論考にある「あのときの日本と、イラク戦争のアメリカは同じ」という指摘にははっとさせられた。そして無批判に協力した日本は、何も学んでいないということか。2018/02/18

白義

17
本書、及びその元になった番組は開戦の過程を分析したドキュメンタリーとしても一級なだけでなく、メディアの自己検証としても貴重な試み。メディアがいかに民衆の狂熱を煽りまたその狂熱に巻き込まれたか、NHK自身、つまり日本放送協会のラジオ放送などがいかにアジテーションに加担したかもはっきり描かれメディアと世論のあり方に踏み込んでいるのは読み応えがある。また指導者の失敗についても日本の特殊性や軍国主義の暴走といった予断を排し、様々な主体の失敗の集積として捉えた点も目を引く。各専門家のインタビューも密度が濃くて良企画2016/01/24

Kuppa

16
なぜ起こしてしまったか、なぜ止められなかったか、なぜ煽ってしまったか、なぜ呼応してしまったか。大きな流れのなかに、その因果を多面的に検証し、真摯に向き合うことはとても大切だ。下巻は、メディアとリーダーについて。国家観を持たぬリーダー達や利益を優先し世論を誤った方向に扇動したメディア、流され煽られそれにのってしまった国民一人一人、いまの現代にも同じ病が巣食うている気がしてならない。取るに足らない一人の国民ではあるが、その問題意識を忘れず、流されず、少なくとも目の前の選択を誤らないように進んでいきたいと思う。2022/01/27

11
下巻はメディアと指導者の責任について。新聞は戦争になれば、戦地に赴いた家族を思う家族が増え、部数が増える。カメラマンは忖度し、戦場で死体をけして映さない。戦争開始時は伏せ字が多かったが、どんどん御用新聞と化していき、通達どおりの記事のみになるので伏せ字はなくなる。もっともな指摘ばかりだったのだけれど、相変わらずNHKさんはこの手の番組でも本でも自社の責任については触れようとしないんだよなあ…。メディアは新聞だけじゃないでしょ。2018/08/10

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