ワープする宇宙―５次元時空の謎を解く

ランドール，リサ【著】〈Ｒａｎｄａｌｌ，Ｌｉｓａ〉/向山 信治【監訳】/塩原 通緒【訳】

ＮＨＫ出版（2007/06発売）

• サイズ B6判／ページ数 617,／高さ 20cm
• 商品コード 9784140812396
• NDC分類 421
• Cコード C0042

出版社内容情報

ノーベル賞に最も近い理論物理学者の最新宇宙論！
物理学界がいま最も注目する5次元宇宙理論とは？　すぐそこに存在するという第5の次元はなぜ目に見えないのか？　そもそもそれは存在するのか？　現代物理学の歩みから最新理論までを数式を一切使わずにわかりやすく解説したベストセラー。待望の邦訳、ついに刊行。

内容説明

宇宙は、私たちが実感できる３次元＋時間という構成ではないらしい。そこには、もうひとつの見えない次元があるというのだ。もし、もうひとつの次元が存在するのなら、なぜ私たちには見えないのか？それは、私たちの世界にどう影響しているのか？どうしたらその存在を証明できるのか？現代物理学の歩みから最新理論まで、数式を一切使わずわかりやすく解説しながら、見えない５番めの次元の驚異的な世界に私たちを導いていく。英米の大学でテキストとして使われている話題の著書Ｗａｒｐｅｄ　Ｐａｓｓａｇｅｓの邦訳。

目次

１部　空間の次元と思考の広がり
２部　２０世紀初頭の進展
３部　素粒子物理学
４部　ひも理論とブレーン
５部　余剰次元宇宙の提案
６部　結びの考察

著者等紹介

ランドール，リサ［ランドール，リサ］［Ｒａｎｄａｌｌ，Ｌｉｓａ］
理論物理学者。ハーバード大学卒業。現在、ハーバード大学物理学教授。専門は、素粒子物理学、ひも理論、宇宙論。プリンストン大学物理学部で終身在職権をもつ最初の女性教授となる。また、マサチューセッツ工科大学およびハーバード大学においても理論物理学者として終身在職権をもつ初の女性教授となる。１９９９年にサンドラム博士とともに発表した「ｗａｒｐｅｄ　ｅｘｔｒａ　ｄｉｍｅｎｓｉｏｎｓ（ワープした余剰次元）」により、物理学会で一躍注目を集める

向山信治［ムコウヤマシンジ］
東京大学ビッグバン宇宙国際研究センター助教。京都大学理学部卒業後、同大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。ビクトリア大学、ハーバード大学の博士研究員を経て、現職に。ハーバード大学ではリサ・ランドールと理論物理学で難問とされる宇宙項問題に取り組み、共著論文を発表。専門は初期宇宙論、重力理論

塩原通緒［シオバラミチオ］
翻訳家。立教大学英米文学科卒業（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[absinthe]

よい本だとは思うけれど後半は難しい。解りやすいたとえ話は説明されなくても解るような前半の話に費やされてしまって、後半の解りたかった部分でそれが無い。最初のページに戻って何度か読みなおしましたが、やっぱり後半は難しい。 これをきっかけに、日経サイエンスで今まで避けていた素粒子の記事を読むようになった。 素粒子物理の基本を他の本で吸収しておいた方がよい。 我々が生きているのは3次元空間ではないのかも。それだけでも面白いアイデア。

[Ayumi Katayama]

読んだのは10章まで。知っている所はふんふんと読み進むのだけど、知らない所になるととたんに停滞する。読み進めるのが少々面倒になってきた。既に2度目。今度読むときは11章から読もうっと。

2020/05/06

[佐藤一臣]

Ⅰ部の余剰次元の話は刺激的で面白かった。Ⅱ部～Ⅲ部の物理の歴史は、為にはなったが素粒子物理学の細かいところは素人では理解するのが難しすぎた。Ⅳ部以降になると、ひも理論、余剰次元の理論が展開されるがもっと難しい。最後まで読んだものの、言ってることはほとんど理解不能だ。理解するには物理学、宇宙、量子、素粒子の全体像を知っておかないといけない。まあ、まだ全体像が解明されていないけれども。ふと思うのは、思考こそが５次元目の世界であり、そこには物質ではなくエネルギーだけが存在しているんではないかと。

2017/04/07

[宇宙]

良く理解できなくて、読み返すところが何度もあった。わかりやすく書いても難しいのだろう。歪曲した次元の中にあっては、余剰の次元があっても見えなくなるらしい。今まで、余剰の次元は量子サイズと言われていて、0.1mmを超えるかもしれないと言われたら物理学者はその大きさにたまげたと言う。実はもっと大きいが、実は歪んでいるだけだという可能性があるのだという。一時期、最もたくさん論文が参照された物理学者と言われた。

2020/09/03

[sheemer]

自分のは2007年4刷。この時点の素粒子物理をほぼ数式無しで解説した本。第III部までは超ヒモ理論の手前までの過去の物理学の解説で、ニュートン力学からアインシュタインを経て素粒子までが解説される。第IV部以降で超ヒモ理論、余剰次元、その展望が描かれる。現代科学史としてはLHCの稼働直前であり、いろいろとそれへの期待とビジョンが描かれている。その後どうなったかを、これから「世界は関係性でできている」で読み進む予定。ビジュアルに描けないものを数式もなしで想像するのはかなり頭脳トリッキーだった。が、楽しかった。

2024/08/14