内容説明
気持ちいいだけじゃ満たされない。冒険する脳科学者の実験室は、夫婦の寝室、美食家の台所、SMクラブ、24時間マラソンコース…。科学で解明する充実した人生とは?幸せを科学する。
目次
プロローグ
第1章 脳の中の奴隷
第2章 お金を愛するがゆえに
第3章 パズルの悩ましい楽しみ
第4章 スシ・プロブレム
第5章 電気刺激による歓楽宮
第6章 痛みは快感
第7章 ランナーズ・ハイ
第8章 アイスランド体験
第9章 セックスと愛と満足
エピローグ
著者等紹介
バーンズ,グレゴリー[バーンズ,グレゴリー][Berns,Gregory]
脳科学者。エモリー大学精神医学、行動科学准教授。New York Times科学欄に数回紹介されるなど注目される科学者である。研究は、CNN、NPR、BBCなど、幅広い分野のメディアに取り上げられている。アトランタ在住
野中香方子[ノナカキョウコ]
翻訳家。お茶ノ水女子大学文教育学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハパナ
7
承認欲求、好奇心、発見欲求、選択肢を増やす欲求、食風味への欲求と行動科学の様な内容から始まります。そして脳内の該当部に電極を差込んで、文字通り刺激的な過去における実験の記録を淡々と検証されているが、ちょっと驚きの内容でした。ランナーズハイとアイスランドの遺伝的&文化的な話を挟む様に、SMとセックスの話がされています。1次欲求と2次欲求とに分けて考えられる物と、ハイブリッドな物があり面白かった。印象に残ったのはP151:”つまり脳の深部において痛みと快感はたいして違わない。肝心なのは新しさなのだ。”2016/11/11
GASHOW
6
原題は「満足」だという。満足を脳が求めることが生きがいなのだ。食事の瞬間は幸福度が上がる。じゃあ、食べ続けると幸せでいられるのかというと、むしろ地獄だ。空腹を満たすことが幸せだ。同じことがセックスにもいえる。社会性を持った人類は、他人とのコミュニケーションが生きがいになるという。人生をかけて知識を追うことも。満たされることのない欲望を「時間をかけて」から「辿り着く」ことが満足で、それにより人類が進化ができたのだと思う。2017/03/21
Uzundk
5
満足とは、私達が求めている物はなんだろうか。どれだけの幸福や快楽も色あせていくように感じられる。では延々と新しい物へ飛びつき、快楽の踏み車を延々と回すのが人間にとって幸福なのか。本当に?それが幸せなのか、それが本当に求めている物だろうか? そんな疑問が本書の根底である。その謎に対して著者は脳の反応と自らの実践によって迫るのが面白いところだ。チクセントミハイの「フロー」の生理学的な面からの実験検証。そして、自分自身に降りかかる飽きの問題の語りがありレポとしても面白く読める。2015/03/19
Uzundk
4
再読。今度は新しいと言うところに注目しながら読んだ。脳は忙しく働く事を好むし、適度な難易度に挑むことを好む、新しいものへの挑戦と未知を好む。身体1つに留めるには脳の力は大きく持てあます、しかしながらあらゆる情報に考えを巡らすには物足りない。メタ視点を持つ私達人間にとって脳をうまく使いこなすというのは適度に体を鍛えると同じぐらい重要だと思い始めた。その状態がきっと「生きがい」を感じる状態なのだと思う。2016/10/07
Keikoh
1
引退して片手に冷えた缶ビール、もう片方の手に新聞を持って海岸で寝そべっている人もいるが、私が会ってきたもっとも心満たされている人びとは、おとなしく座ってなどいなかった。彼らにとって、満足感と目的は表裏一体のものなのだ。 これまでしたことのない行動をするとき、あなたは未知の領域に入り、線条体には新しい情報が流れ込み、ドーパミンがどんどん分泌され、あなたはその情報に応じて動くように仕向けられる。新しい情報に反応してドーパミンが出されることが、強烈な満足感の核心であり、それが動機のシステムをスタートさせる。2025/03/14
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