好太郎と節子―宿縁のふたり

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  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784140810330
  • NDC分類 723.1
  • Cコード C0095

内容説明

大正・昭和の洋画界で活躍した三岸好太郎とその妻節子は、世界でも珍しい画家の夫婦であり、ふたりとも独自の画境を展開させ日本洋画史に大きな足跡を残した。好太郎はいかにして西欧近代絵画を取り込み詩情あふれる世界を創り出していったのか、夫との葛藤の中で節子はいかに自分の色を磨き渡仏を経て、才能を開花させていったのか。本書は、ともに暮らした10年を中心に、懸命に生きたふたりの創作の足跡を迫真の筆致で描出する。

目次

終焉と出発
尾張の少女
告白
結婚
二枚の節子像
異郷みやげ
道化
疾走

旅立ち
絵画的な国々
孤独の鳥
迫りくるもの

著者等紹介

沢地久枝[サワチヒサエ]
1930年9月東京生まれ。四歳のとき満州(現在の中国東北部)へ一家で移住、十四歳のとき吉林市で敗戦。引揚げ後、1949年中央公論社に入社、1954年早稲田大学第二文学部日本文学科卒業。1963年「婦人公論」編集次長を最後に退職。五味川純平氏の『戦争と人間』資料助手をへて、独立。著書に『火はわが胸中にあり』(日本ノンフィクション賞)『昭和史のおんな(正・続)』(文芸春秋社読者賞)『記録・ミッドウェー海戦』(菊池寛賞)等がある
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感想・レビュー

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Miko

6
壮絶な節子の人生を札幌に居ながら今まで知らなかったとは。女流画家の礎を築いた人だし自分の一生をかけて絵を描き続け家族を支え続け力強く生きた人だった。はっきりした顔立ちは私の母の面影もあるが母は昭和の初めに生まれ読書好きで勉強家だった。でも自分のやりたい事が何一つ出来ず父に言われた通りに生きる生き方だった。節子のように家族の主になって生きる女性はあの時代何人いただろう。最後はうつ病との戦いだったからどんなにか苦しかったことか。好太郎や菅野圭介など女性関係で悩んだ夫ばかりで可哀想だ。時代なのかな。2021/08/03

ゆずこまめ

1
何となく樹木希林と内田裕也夫妻を思い出した。簡単に仲睦まじいとは言えないような気はするけど、二人にしかわからない絆も愛情もあったのかなと。いい夫とはとても言えない好太郎だが、節子がひたすらに穏やかな夫を持ったとして、その優しさを愛せたのか疑問。その後の恋人も似たようなタイプだし。個人的にはかなり濃い夫婦愛だなと思う。こういう夫婦でいるのは誰にでもできることではない。2023/05/19

滝原夏希

1
夫婦で画家であった三岸好太郎と節子。札幌には彼の個人美術館があって行ったこともあるが人となりについてはほとんど知らなかった。 ふたりの間には3人の子があったが、夫が31歳で早死にしたために夫婦せあったのはわずか10年。その間節子は夫によって苦しめられる日々だった。放蕩癖があり女遊びの激しい夫からは性病をうつされ、姑からは苛め抜かれ、金銭的にも苦しい生活だったようだ。それでも彼女は決して画を描くのを止めなかった。夫亡きあと精力的に活動を続け94歳で亡くなる寸前まで仕事をしていたという。強い女とはこういう人だ2015/12/03

すかいふらわぁ

0
画家の夫をふたり持った画家の一生を描き出したノンフィクション。最初の夫と、次の夫の才能はあるのは、一緒だが、違いすぎる。破滅的なのも一緒か?結婚から解放されて、自由に生きる節子の画家としての青春が、あったのが、彼女の人生で光ってて羨ましい。女、妻、母親、家長、そして画家だった女性だから。2019/03/29

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