永井荷風と河上肇―放蕩と反逆のクロニクル

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  • サイズ B6判/ページ数 476p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784140806135
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

内容説明

四角四面のマルクス経済学者と女三昧の無頼の作家。同年生まれの対極の二人が軍国の世に見たものとは…。日記・書簡を読み比べ、時代をひた走った骨太の生涯をたどる。

目次

永井荷風と河上肇
大学教師就職と尋常ならざる辞任事情
女性遍歴
逸民としての文学愛好
フランス滞在をなつかしむ
ドビュッシーの音楽とヴェルレーヌの詩に心打たれる
家計を支えたベストセラーと強力な支援者
森鴎外を高く評価
河上肇の家計を支えた須磨の伯父
反軍国主義を貫く
戦時下の生活物資不足とインフレ進展の詳細な記述

著者等紹介

吉野俊彦[ヨシノトシヒコ]
大正4年千葉県出身。昭和13年東京大学法学部卒業後日本銀行入行。調査局長、理事を歴任。昭和36年経済学博士(東京大学)。昭和49年山一証券経済研究所理事長就任。取締役会長を経て平成10年まで特別顧問。エコノミスト。昭和54年NHK放送文化賞受賞
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

107
吉野さんの「「断腸亭」の経済学」に続く永井荷風に関するものでほぼ同時代を生きた河上肇との対比で書かれています。なぜ河上肇かというと荷風と同じように森鴎外をやはり愛読していたということとその日記に書かれているし詳細な状況がかなりきめ細かく市井の人びとの生活がよくわかるということのようでした。河上肇は「貧乏物語」くらいしか読んだことがなかったのですが荷風と同様に少し読もうという気になりました。2019/08/20

K.H.

4
永井荷風(こちらが著者の本命)と河上肇の伝記として読み応えがあった。特に河上肇の生涯については胸に迫るものがある。それでいて、大部で引用箇所も多いわりに読みやすい。学説や作品の評価に踏み込まないことも一因だろうが、何よりも章ごとにこの二人で主題が入れ替わる叙述形式によるところが大きいだろう。ちょうどいいところで場面が転換される。そうした面白さや読みやすさはそれとして、繰り返し強調している著者には申し訳ないけれど、この二人を並べて論じる意義が最後まで飲み込めなかった。2021/09/11

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