感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山口透析鉄
27
市の図書館本で。いわゆる第二水俣病原告団の弁護士となった著者の自伝に近い本です。 中央大学法学部に入って司法試験に受かり、弁護士活動の初期に三池炭鉱労働争議に関わって、労働者の団結の重要性を痛感し、というのが原点だったようです。やるのならば一生、弁護士が良いと。 水俣病という名称の問題については先日読んだ入口紀男氏の著書にも出ていましたが、これで世界的に知られてしまっていますので、変えづらいかも知れませんが、ブラジルの金の採掘とかでも水銀を使って同様の公害が発生したりしています。 (以下コメント欄に)2024/07/25
ぼっこれあんにゃ
2
△全体的にそれほど面白い本ではないが、その中に出てくる人の一言に感動した。裁判の証人として元環境庁長官大石武一さんが水俣病に対して国の責任について法的責任や道義的責任等責任の種類を問われた時の証言、「責任というものにいろいろな種類はない。行政というものは国民の権利、人権を守るためだけにある。これを守りえないものは行政の怠慢である。法的に根拠があるとかなんとか言うのはおかしい。国には国民の幸せなり権利なりを守る責任がある。」厳しい一言ですが、肝に銘じていきたい。2009/04/27