内容説明
“悪く生きる”より“よく死にたい”。“モンゴル人がモンゴルで生活することが、なぜ許されないの”。希望だけを心の支えに、生き抜いてきた日々―。『草原の記』のヒロインが自ら語る波瀾に満ちた半生。
目次
1 ほら、あの塩の湖
2 雲が湧く
3 草原の花野
4 ハイラルの夢
5 虚空のように
6 赤い城の青年
7 イミン川の幸せ
8 われはモンゴルの子
9 美しき大地
10 草が匂う
11 ダラン・ダッホルの丘に
12 風がやわらかい
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kagetrasama-aoi(葵・橘)
36
司馬遼太郎氏の「草原の記」を読み、ツェベクマさんに興味を抱いて読みました。まあ!なんと言う一生でしょうか!国境に、政治に翻弄されながらもモンゴルとして生きて行こうと決意し、それを貫いたツェベクマさん。唯々凄い!としか言えません。「あれを見て泣き出し、これを見てがっかりしていたら、この世の中きりがない。とにかく強く生きなければ。」この文章に叱られたような思いがしました。そして“モンゴル”と一口に言いますが、「モンゴル人民共和国」「内蒙古自治区」「旧ソ連のモンゴル民族」と多岐にわたり、それぞれの思いがある2022/06/05
ぽてちゅう
5
司馬遼太郎さん『モンゴル紀行』『草原の記』に続き、別視点からモンゴルを見晴るかす。司馬さんがモンゴルへ旅した時のガイド、ツェベクマさんの波乱の半生記。何遍も変わる歴史のために、国境を行き来する生活、思想教育と抑圧、夫との別離と様々な困難に立て続けに見舞われるが、屈せず懸命に正直たらんとする。モンゴル人がモンゴル人らしく生きるために。あなたの人生は?と問われ「実りある」と言えるツェベクマさんの強さにただ感じ入る。2018/09/11
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