内容説明
学徒出陣で海軍入りした東京帝国大学の神津直次は、事態をよくのみこめぬまま人間魚雷回天の隊員になってしまう。青年らしい覇気と冒険心は持っていたが、ぬきさしならぬ自分の運命に愕然とする。しかもなお彼は訓練に励み、いかにうまく敵艦に命中するかという技術的研究に没頭する。これは神津を中心に数人の予備学生、予科練出身隊員を通じて描いた回天史の全容。書き下ろし750枚。
目次
序章 岩礁に上がった黒い筒
第1章 故国艱難ノ秋
第2章 九三式魚雷が眠っている
第3章 志願の謎
第4章 初陣、菊水隊の出撃
第5章 回天発進セシヤ
第6章 いまいく日を生きる命か
第7章 沸騰する海
第8章 終戦と解放
終章 遺骨を胸に




