内容説明
長い植民地支配に対する血みどろの抵抗が育んだ不屈、不敗のアイルランド魂。美しくも過酷な風土に敢然と根を下ろし、誇り高き民が豊かな精神生活を営む。物質万能の日本への痛烈なメッセージがそこにある。
目次
1 百敗の民(石ころだらけの島;神秘の民・ケルト;シーザーの反撃)
2 怨念と負けじ魂(カトリック対プロテスタント;気骨と奇骨ある人々;ケネディとビートルズ;死んだ鍋)
3 ふるさと国家(虹と妖精;荒蕪の島―アラン島;愛国と激情)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ランラン
8
司馬さんの旅の特徴は大きな国より小さな国、大きな文化より小さな文化、中央より辺境を通して国家をみること。クロムウェルの行為は頑として断罪しながら、プロテスタントの時代に対して果たした役割については高い評価をしている。まことに鋭い指摘であると同感。2015/11/07
thin
5
愛蘭土紀行と一緒に読了。司馬さんが訪れてから約10年後に訪れた内容と愛蘭土の風景を載せてくれている。自分が子供のことから分からずともよく耳にしていたこと(万里の長城の建設目的、NYに訪れた時に意味も分からず写真に収めていたの建物が聖パトリック教会であったこと、風と共に去りぬとの関係、JFK暗殺、ビートルズの生い立ちについて)が少しずつだけども理解できるきっかけになった。これからも色々なこと勉強したい。2016/06/19