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内容説明
スリランカを経て東南アジアに広がった上座仏教。ブッダの教えの原型が今なお人々の暮らしの中に受け継がれているミャンマーとタイ上座仏教の国々の現在。
目次
第1章 黄金のパゴダの国 ミャンマー
第2章 輪廻と宇宙観
第3章 徳を積む人々の暮らし
第4章 引き継がれる伝統的宗教儀礼 タイ
第5章 生きている「民衆の信仰」
第6章 仏教の救済と癒し
第7章 東南アジア諸国の上座仏教
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takeapple
9
上座仏教というのは、日本で一般的な大乗仏教に対して、小乗という、自分だけの救済をめざす仏教だという理解が誤りであることがわかる。最大の仏教国であるタイが現在のような姿になったのは、欧米の植民地支配に対抗するための仏教での宗教改革の結果であるということも目から鱗であった。もっと上座仏教や東南アジアの歴史について知りたくなった。2016/05/29
Riopapa
7
タイの仏教についてはある程度理解していると思っていたが,もっと深いものであった。ラオス,カンボジア,ミャンマーなどの国々でも日常生活が仏教と密接に関係しているのは知らなかった。功徳を積むための生活ということには考えさせられる。自分の今していることが意味を持つという実感を持つことは大事。2018/04/05
S.J.
1
南伝仏教の教徒の良いところは、そのシステム故に圧倒的多数の在家信徒が自ら善行を行い社会に貢献させるような仕組みを有するところだ。出家僧が仏陀の教えを守って、ひたすら自らの解脱のためにのみ修行する一方、在宅信徒は出家僧への布施や社会貢献を通して功徳を少しずつ貯めることができる。出家僧に比べれば遥かに多くの輪廻転生を繰り返さなければならないものの、そうやってより良い来世を、そしていつかは涅槃に至ることをめざす。しかもその功徳は生死を問わず他の人に転送することも可能だそうだ。まるでポイント制度のようで面白い。2020/09/19