出版社内容情報
NHKスペシャル番組「街道をゆく」に連動したメディア・ミックスによる第1弾。「日本とはどういう国か」、「日本人とは何者か」という問いに対して、司馬遼太郎独自の史観を通して、21世紀を多面的に照射する。
内容説明
日本とはどういう国か。日本人とは何者か。「街道をゆく」における思索の道筋を追った、壮大な紀行ドキュメント。
目次
プロローグ 司馬遼太郎の「日記」
1 街道の起点、旅人の原点
2 街道が語る日本の道筋
3 この「土(くに)」へのまなざし
エピローグ 菜の花の記憶
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
30
「街道をゆく」をNHKスペシャルで映像化、その周辺を書籍化した本書はその第1巻。「街道」は、①中央より周辺、主役より脇役②歴史描写に現代の風景描写も③取材ノートは司馬先生の日記等々、「街道」を読み進めるに当たって押さえておくと嬉しい項目が目白押し。随所に挟まれる写真・地図や須田剋太画伯の絵もグッド。2019/09/13
スミノフ
9
「街道をゆく」を読み進めるためのプロローグ編。小学生の頃、父が見ていたテレビがまさにこの第1回放送で、「時空の旅人」という響きになんとも言えず惹かれたのを思い出します。本書は、「街道をゆく」を読む際に抑えるべき観点がわかりやすくまとまっています。そして読み進めると、このシリーズが単なる紀行文ではなく、大地を耕し、それぞれの大地で誠実に生きた日本人の姿を描き出そうとする壮大な挑戦だということがわかります。挿入される写真の美しさは、一見の価値ありです。2006/10/01
のし
6
街道をゆくと同時に読んでみます。2018/05/20
ランラン
4
司馬さんは日本人という民族はいかなるものかを考え追及してきた。日本人は稲作が伝わり、律令体制の中で貴族や寺院のために収穫物を納め続けてきた。いつしか土地に対する異常な執着心と富を得たいという競争心を生み出していった。司馬さんは晩年そんな日本人が「たけだけしいもの」になっていく様をみて、将来を憂ていた。土地を「くに」と読ませて、日本人と土地を伝えるさまは、私の中で何とも言えない切なさが漂っている。2015/05/04
がんぞ
3
『砂鉄の道』砂鉄からのタタラ吹製鉄術、『土佐・檮原街道』の千枚田、東北の餓死慰霊碑、亀田郷土地改良事業など映像で一目瞭然/『国盗り物語』『峠』など不朽の名作(と見える)時代小説群を書き綴った司馬は意外にも「自分の仕事で後世に残る物があるとすれば『街道をゆく』だろう」と言っていたそうな。所詮、作り物で評価の変わる歴史小説よりも同時代レポートは後世の史家に評価されるとの想いか。昭和45年週刊朝日に小説連載に継いで連載を始めた時『坂の上の雲』(産經新聞)『花神』(朝日新聞)も同時に連載していたという凄まじい健筆2014/01/17
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- 和書
- 今日が残りの人生最初の日