出版社内容情報
彼の驚異的な生涯はアパルトヘイトへの憎悪、恐怖を一掃させた。'62年の逮捕以来、反逆罪などの宣告を受けロベン島に送られる暗黒の日々、そして釈放、自由を勝ち取る迄の苦闘を綴る。第33回日本翻訳文化賞受賞。
内容説明
27年間も獄中で自由を。と叫び続け、ついに勝ち取った男の生きざま。絶望的な状況にユーモアさえ絶やさず、敢然と突き進む男のロマン。
目次
第7章 リヴォニア
第8章 ロベン島・暗黒の日々
第9章 ロベン島・希望の始まり
第10章 敵との対話
第11章 自由
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
megumiahuru
30
下巻では牢獄での長い年月と、ついに自由を獲得するまでが描かれる。 「この長い孤独な年月のあいだに、同胞の自由を求めるわたしの気持ちは、黒人も白人も含めたすべての人々の自由を求める気持ちに変わっていった。抑圧された人々が解放されるのと同じように、抑圧する側も解放されなくてはならない」。 憎しみに囚われない心、希望を持ち続ける力!-27年の獄中生活がマンデラ氏を本当に偉大な「国父」へと磨き上げたのではないだろうか。 平和は力によらず、寛容と希望によってもたらされることを身をもって証した人であった。2013/12/24
Miyoshi Hirotaka
19
人種間の闘争は、日露戦争やインド独立運動のように侵略阻止、主権獲得という国家対国家から米国の公民権運動、南アフリカの反アパルトヘイト運動という国家対集団に移った。仮に、人種対立を少数対多数という枠組みに置き換えると、多数は必ず正しいのか、少数は多数を否定できる権力を持ってよいのかという問題に帰着する。外見が違う場合はわかり易いが、宗教、民族アイデンティティ、性自認のように内面問題になると厄介だ。どの国もこの問題で悩んでいる。それは戦っている当事者らは見ることができない未来の国の形を決めることになるからだ。2023/08/16
☆エンジェルよじ☆
15
20年以上牢獄に入れられその間も仲間達と共に看守(政府)と闘い続け自由への歩みを止める事をしなかった強い信念を持ち、ついに自由への歩みを国民と共に踏み出すまでの下巻。釈放された時報道陣が差し出す“毛むくじゃらの棒”に驚きそれがマイクだと教えられるという記述に年月の長さを感じ取れた。過酷な状況の中でも1個人として相手と接する姿勢を貫くというのは相当な精神力がいるだろう。自ら選んだ道は本当に長く偏見という道路と横暴という景色を歩く長い道だった。マンデラさんが死去されてもうすぐ3年になる。当時ニュースを見て→2015/11/10
カネコ
8
◎ p446「肌の色や育ちや信仰の違う他人を、憎むよう生まれついた人間などいない。人は憎むことを学ぶのだ。そして憎むことが学べるのなら、愛することだって学べるだろう。」p448「抑圧された人々が解放されるのと同じように、抑圧する側も解放されなくてはならない。他人の自由を奪う者は、憎しみの囚人であり、偏見と小心さの檻に閉じ込められている。」2013/11/09
CCC
7
囚人期間の長いこと長いこと。上巻の方が南アフリカの内情が知れる面が多くて良かったかもしれない。しかし囚人の等級制度のくだりには少しびっくり。A~Dのランクがあり、言う事を聞いていれば昇級があり待遇が良くなるシステムだが、何だか漫画めいてると思った。現実でこんな事やってたところがあったとは。2018/02/27
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