内容説明
日本時代の痕跡、手つかずの大自然、北方四島の経済混乱、軍隊の内部崩壊?そして経済面での北海道との交流…。岐路に立つ千島の今日的状況を、ビビッドに伝える最新リポート。
目次
1 初めて見る千島列島(出航~霧に浮かぶ島々へ;千島列島の最北端・アトラソフ島;北で暮らす・パラムシル島;歴史に翻弄された島・シュムシュ島;中千島の海・シアシコタン島;神秘の島・ウシシル島;“国境”の島・ウルップ島)
2 北方領土~ゆれる島民(始まったビザなし交流;漁業の島・国後島;円をつかめ;四か月ぶりの給料;軍の島・択捉島)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
86
1993年、NHK出版。前年「NHKスペシャル初めて見る千島列島」の書籍版。今から見ると隔世の感!ソ連崩壊を受け、北方領土返還への期待が膨らんだ時期。取材はビザなし渡航に同行した南千島(国後・択捉・歯舞・色丹)とロシアの科学調査船「オパーリン号」に同乗して訪ねたウルップ島以北の北千島に分かれている。ソ連は日本降伏後三日目の8月18日、最北のシュムシュ島に上陸、戦闘を交えた後、全千島列島を占領。取材の時点で占領から半世紀近くたっていたが、北千島は日本人が去った後、軍人以外の一般住民は殆ど居住しておらず、⇒2023/03/16
鯖
22
1993年のNHKによる番組制作のための撮影紀行記。四島返還に前向きだったり後ろ向きだったり軍人さんが辞めて公務員になるわ…って言ってたり、みなさん元気でいらっしゃるのかなあ…。コルホーズでカニ売っても買いたたかれるだけで、日本で売るとその30倍とか、そりゃそうでしょうなあ。国後島は辺境なので食料も届かず、1年でパンやキャベツが40倍のお値段になったとか大丈夫なの…。今も大丈夫なの…。今の日本もダメダメです…。戦争始まるまでは日本人も住んでて一緒に仲良く遊んでたというおばあちゃん。難しいね…。2023/03/09
雲をみるひと
21
1990年代前半のNHKによる千島列島取材記。北、中千島の自然や生物の生態を取り上げた前半部と北方領土の住民にフォーカスした後半部からなる。テレビドキュメンタリー用の取材のためか深みは感じないが、それでもテーマが秀逸で興味深い。個人的には当時とは状況が大きく変わってしまった後半より戦前の文献、情報も限定的な前半が特によかった。2021/05/10
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