内容説明
彼はボノボ(ピグミーチンパンジー)のカンジ。覚えた英単語は約1000語。日常生活にはほとんど不自由しません。本書は気鋭の女性科学者であるランボー博士が、カンジとの出会いから現在までの4500日を綴った驚異と感動の手記です。
目次
第1章 ボノボは愛することが好きなサル
第2章 境界を越えたサル、カンジ
第3章 ボノボは言葉を学べるか
第4章 母と子の絆
第5章 カンジは秘密をもっていた
第6章 森へ行く
第7章 カンジの朝
第8章 チェイス
第9章 カンジが泣いた
第10章 カンジの夜
第11章 カンジのひとり言
第12章 セオリー・オブ・マインド
第13章 「ジャガイモを亀に投げられる?」
第14章 サルはどこまでヒトになれるか
「カンジ」の理解を深めるためのノート
ランボー博士と言語研究センター
カンジに出会ってしまったヒト
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
268
700もの文、1000もの単語を学習し習得した、ボノボのカンジ(スワヒリ語で「埋もれた宝」の意)を研究した(というよりは、ほとんど共に暮らした)スー・サベージ=ランボーによる報告。彼女のボノボの能力に関しては、認めない研究者もいるようだが、少なくても本書を虚心に読む限りでは、ボノボには豊かな感情が内在し、しかもそれを人間と共有する能力を持っていることは間違いないようだ。しかも、それは即物的な伝達を越えて、抽象的な域にまで及んでいると見られるのである。2025/04/28
ブリキのオモチャ
2
カンジ君はもう死んだのでしょうね。その後この研究はどうなったのかな。声や身振りなどの手段はともかく言語そのものが人間だけのものでないとして言語野との関係はどうなるのだろう。などと思いました。石器を作るところは身震いしました。2013/10/31