内容説明
現代矢倉に至る変遷をたどりながら、矢倉の考え方と戦い方を解説。どう判断して、なぜそう指したのか、という思考過程に焦点を当てた。
目次
第1章 矢倉の基本と考え方(矢倉の組み方を覚えよう;スズメ刺しと棒銀を指そう;駒の方向性を知ろう ほか)
第2章 現代矢倉の誕生(飛先不突きの意味を知ろう;森下システムを覚えよう;進化した森下システムを指そう ほか)
第3章 自戦記(懐かしのデビュー戦;恐怖と絶望の一局;A級初戦を白星で飾る ほか)
著者等紹介
森下卓[モリシタタク]
1966年7月生まれ。福岡県出身。78年、花村元司九段門下で奨励会入会。83年、四段、03年、九段。第28、29回日本シリーズ連続優勝。タイトル挑戦6回。矢倉「森下システム」を開発した、本格派の居飛車党(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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そり
10
陣形、駒の方向性、すなわち矢倉の戦略について学べる。森下九段の棋譜も掲載されており、定石に忠実な若い頃から、敢えて悪形を選択するベテラン時代まであり、変化を楽しめる。戦術を知り、戦略がわかってくると一層将棋は面白いなるなと思った。2013/04/04
coppe
1
攻め駒の方向性の話は勉強になった。2年間頭がぼけた状態や、わかっちゃいるけど、辞められない状態というステータス異常が面白かった。2016/05/03
OTR
1
振り飛車の藤井先生でさえ矢倉を指す時代。流石に振り飛車は奮わず、矢倉も勉強することに。定跡書というよりは、原理原則が書かれており、矢倉の思想と序盤だけはよくわかるものの、ところどころというかあちこち、というか全てのページにある森下先生の自叙ばかりが頭にのこり、面白い反面、定跡はさっぱり頭に入らず。まあ、それは別の定跡書で補完するとして、読みやすくわかりやすい。あと、(笑)が極めて多いところも本書の魅力というかなんというか。2014/05/24
あなあき
1
数は多くないが、今まで読んだ中でイチバン面白かった定跡書……と言うか、コレは森下卓九段の「自伝的エッセイ集」であって定跡書ではないのかもしれない(?)。しかし、盤駒で手順を並べながら読んでいくと、知らず知らずのウチに「矢倉の基礎」が理解できてしまうからアラ不思議w最近、ニコニコ生放送の解説で出演していたとき、本書のことをご自分で自画自賛なさっていらっしゃったが、その言葉にウソ偽りなく、まさしく「名著」である。あと、本文中で再三に渡って後悔している「わかっちゃいるけどやめられなかった」コトって何なんだろう?2013/11/24
kinaba
1
本筋を丁寧に区切って説明してくれていてわかりやすかった。しかしそれ以上に自戦記の、卑屈…というと失礼だな、なんだろう、トッププロの森下先生をしてもそれよりさらに敵わない上がいる、という目線の描写に、それでも自分は自分のやることをやる、という風情に思わず読み入ってしまった。2013/09/14