シリーズ・哲学のエッセンス<br> デイヴィドソン―「言語」なんて存在するのだろうか

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シリーズ・哲学のエッセンス
デイヴィドソン―「言語」なんて存在するのだろうか

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  • サイズ B6判/ページ数 125p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140093146
  • NDC分類 133.9
  • Cコード C3310

内容説明

コミュニケーションの原理を見通す。ことばによって他者を理解するとはどういうことか。解釈の賭を通じて生み出される合意。それを可能にするのは言語能力ではなく生きることへの熟練である。

目次

第1章 言語哲学は意味をどう扱うか(意味とは何か;「ふたり」のコミュニケーション)
第2章 真理と解釈の第一次性(真理条件という考え方;寛容の原理)
第3章 コミュニケーションの哲学へ向けて(解釈のプロセス;言語非存在論)
第4章 「言語」ではなく数多くの言語が存在する(意図と規約;デリダとデイヴィドソン)

著者等紹介

森本浩一[モリモトコウイチ]
1956年熊本県生まれ。東北大学文学部哲学科卒業。同大学大学院文学研究科博士後期課程ドイツ文学ドイツ語学専攻単位取得退学。横浜国立大学教育学部助教授等を経て、現在、東北大学大学院文学研究科教授。専門は、文学の理論
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

23
「言語」や「意味」というもの、その同一性、共通性というものは存在しないし必要ない。あるのは人と人とが関わりながら互いの言葉を「解釈」する構えや理論だけであるという言語学全体にある意味喧嘩をふっかけていそうな特異な言語哲学を、言語は存在しないというキャッチーなワードに似合わず丁寧に分かりやすく解説している。異なる文化、言語どころか、同じ共同体においても文体や個人言語が多種多様だが、それでも人は人の言葉に触れると「何かの意味があるはずだ」と期待しコミュニケーションを図る。それこそが根本なのだという発想が面白い2015/10/05

spica

5
言語哲学者デイヴィドソンの思想を平易に解説してくれる1冊。言語は存在しない、という主張は、最近読んだガブリエルを思い出す。最初は論理学っぽくて、大学で、論理学のつまらない授業をギブアップした記憶があるので身構えていたが、わかりやすくおもしろかった。話し手、聞き手がそれぞれ意味・意義を与えるということなのだが、ひとことで結論を言うのはわたしには無理だから読んでなるほどと思ってもらいたい。言葉を伝えるとはどういうことなのか、当たり前と思っていることを深く考え直し、新たな視点を得られる。2019/02/15

3
物理的に薄いので内容的にも薄くなっています。2021/12/15

2kz1

3
これを非コミュの擁護に使いましょう!!!(冗談です それはともかく、コミュニケーションの一回性を強調するデイヴィッドソンと反復可能性を強調するデリダとの比較で、両者が表裏の関係にあるのであり、結局同じことを言っているのだ、というあたりとか、こういったある種異なる伝統間に橋を架けるという作業は個人的に非常に面白く感じる。2011/08/04

令和の殉教者

2
ソシュールのことを考えた。私は高校生の頃から、丸山圭三郎を通して彼の面白い考えに馴染んでいたから。彼は言語(ランガージュ)を、個別具体的な発話(パロール)とそれを規定する言語体系(ラング)に分け、後者を彼の言語学で解明すべきものとして扱ったという。なるほど、個別の発話にいちいち耳を貸していては、言い淀み、言い間違いなども多く見られ、科学的・客観的な現象記述は難しそうだ。だがしかし、発想を転換すると、そのような言い淀みや言い間違いを含んでなお、私たちは相手がその発話で何を言おうとしたか推察可能なのである。2022/06/08

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