内容説明
特異な色彩と明暗法を用いて非現実的な人物像を描いたポントルモらは、時代の不安感を捉えた。また、トスカーナ大公となったメディチ家を讃え、ヴァザーリらはパラッツォ・ヴェッキオを文学的・錬金術的アレゴリーの絵画で飾った。
目次
1 古典主義からマニエリスムへ(ポスト・クラシックあるいはマニエリスムの時代;新しい宗教芸術の展開フラ・バルトロメオ;最後の古典主義画家アンドレ・デル・サルト;フィレンツェ・マニエリスムの創始者ポントルモ;挑戦的な反古典主義者ロッソ・フィオレンティーノ)
2 マニエリスムの建築家たち(建築家ミケランジェロ;形式への問いかけアンマナーティ;ルネサンス建築の終焉)
3 大公国の宮廷画家たち(メディチ家の宮廷画家ブロンズィーノ;フィレンツェの美術監督ヴァザーリ)
4 フィレンツェ彫刻の爛熟(マニエラの彫刻家たち)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
内島菫
21
フィレンツェ・ルネサンスというドラマの終わり。最後に遅れてやってきた、アンドレア・デル・サルト、ポントルモ、ロッソ・フィオレンティーノ、アンマナーティ、ヴァザーリ、ブオンタレンティ、ブロンズィーノ。そこにも依然としてミケランジェロの影が差し、その影の繰り返し=残響としての谺がマニエリズムを生む。しかし、その谺はただの繰り返しではなく、マッス(量塊)を失い支えを失い具体性を失い機能性を失い、古典様式からの踏みはずしをねらう。2019/03/05
OKKO (o▽n)v 終活中
2
五月雨読みでずーっときたが、今日あたりでとうとう全活字に目を通したと思う。◆ここでしか扱ってない図版もあったりで、マニエリスムの面白さがかなりわかりやすく紹介されていると思うの。◆薄い本だけど、庭園にしっかり焦点当ててるのがステキ。重宝。2013/05/21
たまご
0
フィレンツェに行く前に読みたい。2018/03/06




