内容説明
アジアの民が育んだ食文化そのルーツと伝播への旅。
目次
黄土の民の知恵と技 麺(アジアを結ぶ麺ロード;麺のふるさと、中国への旅)
太古からのメッセージ イモ(一万年の時を越えて;イモが世界の食を支える)
南方に生命の嘉木あり 茶(心と生命の水・茶;茶の文化と伝播)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
無識者
8
正直もうちょっと題名通りに人間が何を食べてきたかという文化人類学的なものを期待してたが、これこれでおもしろかった。麺発祥の地ではこういう食事をしていますよみたいなルポである。こういう取材先に出てくるところの話を聞くと生産力の発展がどう進んでいくか気になってしまう。2018/01/04
印度 洋一郎
5
NHKが飽食の時代を迎えつつあった日本への問題提起として、アジア太平洋地域の重要な食べ物である麺、イモ、茶の三つに着目して、中国の黄土高原と雲南、ニューギニアを取材した番組の、言ってみればメイキング本。しかし、取材行がそのまま優れた紀行文になっている。乾燥した黄土に育つ麦を加工した麺、高温多湿なニューギニアで余り手をかけなくても育つヤムイモ(ヤマイモ)、雲南の山岳地帯で貴重なビタミン原となった茶など、それぞれの地域で必要とされる理由があった。そして、それぞれの食べ物に研究者の解説がつき、その背景もわかる。2023/03/20