出版社内容情報
「おもしろいから書くのではない、書いているからどんどんおもしろいことが増える」
小説、エッセイ、短歌、絵本と幅広い創作で注目される作家、くどうれいん。その創作の原点は日記にあった。そんな彼女の日記の初の書籍化が本書である。日々の短文日記=「日記の練習」とそれをもとにしたエッセイ「日記の本番」をとおして浮かび上がる、作家くどうれいん一年間の生活と思考と情動。書かなかった日も、あまりに長くなってしまう日も、それこそが日常のなかの日記だ。
内容説明
書かなくていい日も、長くないとどうしようもない日も。日々の短文日記=「日記の練習」とそれをもとにしたエッセイ「日記の本番」をとおして浮かび上がる、作家くどうれいん一年間の生活と思考と情動。
目次
「日記の練習」をはじめます
日記の練習 4月
日記の本番 4月
日記の練習 5月
日記の本番 5月
日記の練習 6月
日記の本番 6月
日記の練習 7月
日記の本番 7月
日記の練習 8月
日記の本番 8月
日記の練習 9月
日記の本番 9月
日記の練習 10月
日記の本番 10月
日記の練習 11月
日記の本番 11月
日記の練習 12月
日記の本番 12月
日記の練習 1月
日記の本番 1月
日記の練習 2月
日記の本番 2月
日記の練習 3月
日記の本番 3月
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃちゃ
88
私事になるが、昨秋から日記をつけ始めた。日々の記録や備忘録ではなく、自分と静かに向き合う時間を作ろうと思い立ったからだ。今や就寝前のひとときは、心を整えるための貴重な時間となった。誰かに何かを伝えるわけじゃない。思いを言葉として形にすることで、新たな発見があり日常が豊かに彩られてゆく。さて本作だが、歌人•作家であるくどうれいんさんが、日々の心の起伏を飾らぬ文章で綴った日記&エッセイ。「書くと生活はおもしろくなる」ささやかな出来事や人間関係は、立ちどまって書くことで喜びや面白さに変わってゆくのだ。2025/02/09
tenori
62
冒頭『日記は日々の記録ではない。日々を記録しようと思った自分の記録だ』と煽り、あとがきで『仕事で書く日記』と言い放つ。この落差というか感性が好き。どこか斜に構えながら日常と自分の器を受け止めて分析しているところ。構成は日記調になっているものの「丸ごとくどうれいん」のエッセイである。『盛岡のためにも岩手のためにも働いてたまるかと思う』上等である。その気概を持ったまま全力で彼女は故郷を愛するだろう。だからこそ私は彼女に全国区になってほしい。ちなみに私はこの本を読書好きな『推し』にプレゼントしたのだった。2024/11/11
@nk
53
著者は編集された赤裸々を記しているという。とは言え、喜怒哀楽を知ることになる読み手は、それが練習であれ本番であれ、描かれる日々から思い起こすものが多いはず。私などは『うたうおばけ』を読み、結婚されたと知ったのが2023年。そして翌年1月、第38回全国高等学校文芸コンクールでのスピーチをWebで読んだ。まさにその日々が本書では綴られていて、くどうれいんという書き手の日常を垣間見ながら、なんとも一喜一憂しつつ読み終えた。/好きなことは書くことであり、適度にうっとりしている時こそ筆がのる。とにかく夫、いわゆる⇒2025/02/10
もぐもぐ
53
くどうれいんさんの丸々一年分の日記、という形式のエッセイ。私も日記をずっと書いてるけど、これくらい日々の気持ちを素直に書き残せたらいいなあ。それと「日記をつけたりやめたりを繰り返しているが、日記を書きたいと思うきもちは持ち続けています」は共感しかない(笑)。読メも自分にとっての日記の一つかもしれない。何気ない日常の愛おしさが伝わってくる、読んでいて心地よい本でした。2025/01/18
ぽて
41
1ヶ月かけて読む。すごく大切にしたいなと思う本だから。頭どころか体中、くどうさんの言葉でいっぱいに染み渡る。ときめいた。私も小学6年生頃から日記を書いているけど、出来事と少しの感想を並べているだけ。それも尊いけれど、もっと書きたいことは、くどうさんのように心がぐっと動く日常の一瞬なのだと気が付き、日記の書き方が変わった。図書館本だけど購入したい。次は4月から○年前のくどうさんはこう思ってたんだなぁと思いながら毎日1日分(書かれていない日も含めて)読みたい。2025/03/17
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- 和書
- 明日も一日きみを見てる