内容説明
愛しの人よ帰って来ました。全米図書賞(『待ち暮らし』)をはじめ、米文学賞を総なめにした中国系作家の最新作。天安門事件を機にアメリカに移住したある中国人家族の激しくもやさしい物語。
著者等紹介
ハ・ジン[ハジン][Ha Jin]
哈金。作家。中華人民共和国出身。1985年にブランダイス大学に留学し、天安門事件後に米国に帰化。世界的ベストセラーとなった全米図書賞、PEN/フォークナー賞受賞作Waiting(『待ち暮らし』早川書房)に続き、War Trash(PEN/フォークナー賞受賞)、The Crazed(『狂気』早川書房)といった小説を発表、短編集にThe Bridegroom(アジアン・アメリカン文学賞受賞)、Under the Red Flag(フラナリー・オコナー賞短編部門受賞)、Ocean of Words(PEN/ヘミングウェイ賞受賞)などがあるほか、エッセイ集The Writer as Migrantや3冊の詩集など作品多数
駒沢敏器[コマザワトシキ]
作家・翻訳家。1961年東京生まれ。雑誌「SWITCH」で編集者、取材記者を務めた後、現在はフリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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バナナフィッシュ。
11
丹念に積み重ねた日々の描写。中国という足枷から逃れたいのに、日常のふとした瞬間にそれは不可能なことだと気づかされる。どんなにアメリカに溶け込もうと尽力しても彼らはどうしようもなく中国人なのだ。でも戦うことに意味がないわけじゃない。強い意志さえ持っていれば、アメリカ人のように扱われることは可能だ。しっかりとした土台を持つこと。根無し草にならないよう自分で土地を選び手放さないように頑張ること。しかしアメリカ社会が持つ自由の渦に飲み込まれることなく意思を保つのは大変なことなんだなあ。2016/09/18
かみーゆ
2
駒沢敏器さんの翻訳ということで手に取った、天安門事件後、アメリカで生活を成り立たせるために奮闘する中国人家族の話。丁寧に重ねていく日常の描写と家族と家族を取り巻くさまざまな人たちそれぞれの心情のリアルさにページをめくる手が止まりません。あまり関心のないテーマの小説だったのですが、祖国とは何か、みたいなことが中国という国の特殊性もあいまって胸に迫ってきます。この後どうなるのかな。下巻も楽しみ。2024/09/28
しんかい32
0
カーヴァー流ミニマリズムからの影響が感じられる。もっと社会派よりだが。2014/12/29
リズール
0
10月8日に行われた第20回リーダーズ・ネストで紹介されました。2012/10/08
カルミア
0
再読2021/03/20