ノーと私

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  • サイズ B6判/ページ数 301p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140055571
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

内容説明

ホームレスの少女「No」と、飛び級で高校に通う13の「私」。ひとりぼっちで、いつもみんなの輪の外側にはみ出していた私は、ノーといるときだけ世界にくっついていられた。かけがえのない存在、「いつもいっしょ」のふたり。けれど、ひとつの季節が終わる頃、私の中のなにかが変わっていった…。2008年フランス本屋大賞受賞作。

著者等紹介

ヴィガン,デルフィーヌ・ドゥ[ヴィガン,デルフィーヌドゥ][Vigan,Delphine De]
1966年パリ生まれ。作家。5歳で両親が離婚、母と妹と暮らすが、13歳で母親に捨てられ、ノルマンディーに住む父のもとへ。19歳でパリに戻り、アルバイトで生計を立てながら学業を終える。現在は二児の母。『ノーと私』で、2008年フランス本屋大賞受賞

加藤かおり[カトウカオリ]
1966年生まれ。フランス語翻訳家。国際基督教大学教養学部社会科学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きゅー

10
育児放棄をされ、母の愛を知らないノー。幼い長男を亡くしてから心を閉ざした母を持つルー。二人が出会う。彼女らは一様に母の愛に飢えている。特にルーの母親の生気の抜けた姿は『リュシル』に書かれたデルフィーヌの母親につながり、この物語がそのままデルフィーヌ自身の物語であるように見え、辛くなる。ルーは言う「暴力はここにもある、暴力はいたるところに存在する」。それは肉体的な暴力のことではなく、言葉による暴力でもなく、むしろそれらの不在。苦しい時に言葉をかけてくれないこと、抱きしめてくれないことも暴力だと彼女は気づく。2018/11/08

すずき

4
人類は宇宙にまで行けるのに、路上で死んで行く人は救えない、というくだりが印象的でした。でも同情的でも慈悲の心を訴えるでもない、人との出会いの物語だったのが良かったです。2011/08/09

knoriko

4
飛び級したために周囲になじめない主人公と、彼女と同い年ぐらいのホームレスの少女。そんな心に孤独を抱える少女たちの話。読み終わってすごく切なくなった。互いに分かり合える存在にめぐり合ったのに、世界はそんなにやさしくないんだみたいな。後書きによるとフランスは若いホームレスの数が多いらしい。こういう社会の現状を伝えるようなYA小説読んだのは初めてかもしれない。なかなかに考えさせられた。良作。2010/10/02

まっけろーに

3
すごく読みやすくリズムもいい。でもよく考えると、深刻な社会問題を孕んでいる。良い小説だった!2011/08/25

イワシ

2
YAとして紹介されていた本だが、中々考えさせられる本だった。日本と比較にならないぐらいフランスにはホームレスがいる。大人だけでなく、子どももたくさん。私はパリでそんなホームレスの生き抜くためのスリの餌食になったのだが...こういう社会情勢を踏まえた小説はなんかフランスっぽいなと感じた。再読して色々考えたいと思った。2015/11/28

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