内容説明
ファイアベリーには、秘密がある。上から見ると、斑点をもつ緑の小さなカエルだが、おなかが炎のように真っ赤だということ。身に危険を感じると、ひっくり返って赤いおなかをふくらませ、てらてら光る毒を分泌する。養殖場で生まれたファイアベリーは、野生を知らない。まさに井の中の蛙。あるとき、野生のカエルと遭遇し、あこがれ、外の世界を知りたい、自由に暮らしてみたいと思い始める。しかし、野生の生活はつねに危険と隣あわせだ。自由におびえながら、自由を求めるファイアベリー。チャンスは一度。決断の時は、もう間近に迫っている。
著者等紹介
マイケルズ,J.C.[マイケルズ,J.C.][Michaels,J.C.]
作家。音楽家、アドベンチャートラベルガイド、教育関連のソフトウエア開発など、さまざまな職業を経て、2005年に『ファイアベリー―考えるカエル、旅に出る』でデビュー、ノーチラス・ブック賞ほか多くの賞を授与された
小田島則子[オダシマノリコ]
大学非常勤講師。翻訳家
小田島恒志[オダシマコウシ]
早稲田大学文学学術院教授。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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斑入り山吹
1
思い悩むティーンの心に添った話だと思った。何かが心の中で暴れ回っている。どうにも出来ない、どうすればいいのか分からない。あの時期を過ごすのは端から見るよりきついことだ。自分を振り返っても、よくぞ自死せずに生き延びることができた、と感慨を覚えるくらい。そこらへんはよく書けていると思った。なんだけれど、カエルがあんなに賢くって色々考えて、人語を理解し、人の行動すら理解できるのか!?そこに入れるかどうかだよなぁ。擬人化しすぎだよ、カエルにはカエル独自のパターンがあるだろうに、とか思っちゃう私は入りきらなかった。2011/07/22
m
1
第3部が難しかった。二部までの感想は普段の生活で動物の気持ちを分かろうと考えてみたくなったり楽しかった。第3部は思春期の女の子の悩みを書いてあって答えはふとした瞬間無くなってしまうものなんだと思った。2008/12/10
atota
0
装丁とイラストに惹かれて手にとった。予備知識はまるで無し。しかしこの悩みながら決断していくカエル、ファイアベリーにはどんどん共感し、引き込まれて行きました。彼の選択が唯一で最上ではないにしても、ひとつひとつ、自ら選択し冒険していく姿にわくわくハラハラでした。最初の野生のカエルの言葉が鍵でしょうか。「望みとは、自分で叶える決意の事だ。他人が代わって叶えることはできん。願いごとなら叶わなくても問題ない。願いごとなんてただの思いつきみたいなもんだから。」2010/10/13
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- 和書
- ふじこさん 講談社文庫