内容説明
思い出をたずさえて人は生きる。旅行、出産、日常、子育て、別れ…。降り積もる記憶を胸に、いまを生きる切なさとすばらしさを綴った最新エッセイ集。
目次
ピラミッドが見ている
オーストラリアで出会った日本
ローズマリー
どうせ行くなら
かっこいいおじいさん
寒かった
マテ茶の神秘
ゴゾ島のビーチ
ひすいのお話
珊瑚〔ほか〕
著者等紹介
よしもとばなな[ヨシモトバナナ]
1964年、東京都生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒。87年、小説「キッチン」(海燕新人文学賞・泉鏡花文学賞)でデビュー。主な著作に『うたかた/サンクチュアリ』(芸術選奨文部大臣新人賞)、『TUGUMI』(山本周五郎賞)、『アムリタ』(紫式部賞)、『不倫と南米』(ドゥマゴ文学賞)など。諸作品は海外30数カ国で翻訳・出版され、イタリアのスカンノ賞受賞をはじめ、高い評価と多くの読者を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんこ
56
世界各地に旅に行った時のちょっとした出来事、心持ちなどが書かれていましたが、他にも旅とは関係ない日常のエッセイも書かれていました。 イタリアの話が多かったのや、南米やエジプト、北欧等々にも行かれているようなので、旅好きと思ったら、旅は苦手と書かれていて驚きました。 また、お客として行ったお店でのエッセイで、「人材こそが宝であり、客も人間」という言葉が出てきたエッセイと、最後の「おすし」のエッセイがズシンときました。 上客とはいえないご近所のお婆さんに優しいお店には拍手。美味しくなくても、通いそう。2015/11/01
これでいいのだ@ヘタレ女王
30
ばななさんのエッセイ集。個人的に共感出来る部分と、ちょっと違うな〜という部分があったが 短編ばかりなのでサクサク読めた。 この世の中の どんなことも、いつかは なくなり、どんなに 行きたくても 行けないところになってしまう。だから、この生涯に思い出をいっぱい集めていきたい。という言葉は、そうそう!その通り!と、思った。2014/05/29
寛生
28
【図書館の本】所々大笑いをしたら、吉本隆明のユーモアを思い出した。やはりばななの文体に僕は生命力を感じる。風水から占い、ペット、植物、石の力、愛犬との最後の日々。まるで子供の〈僕〉に語りかける〈母〉のような感覚さえ持つ。ばななのことばによって、渇ききっていた自らのヒューマニティに水がさされるように感じる。「何でもない」ような日常性がこんなにもリアルに生命を帯びてきて、笑ったり泣いたりすること、食べたりすることとはどういうことなのか、と私たち人間の「本能の声」に耳を傾けよと、ばななはいっているのだろう。2013/10/28
AKIKO-WILL
23
よしもとばななさんのエッセイ!人生の旅をゆくとタイトル通り、ばななさんが辿った道を読んでいるみたいで彼女の感じた海外や日本、日常など些細な事もとても興味深く感じました。亀好きなのは変わらないんですね!2014/04/02
すもも
19
初めてばななさんのエッセイを読んだ。共感できるところがたくさんあった。日本の四季のこと、旅行先で体調不良になりしんどかったけど行ってよかった話など。その時その瞬間を生きていこうと思った。2013/06/16