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内容説明
ぼくの父は、11年まえに死んだ。だから、その父から便りが届くなんて思ってもみなかった。「…これから、ドキドキするような話をきみに語って聞かせるつもりだ…。パパは、この手紙を読んでいるきみが何歳なのかわからない。…とっくの昔に、この世界から退いてしまっているからだ…」手紙は、こんなふうにはじまった。そして、「じつは、きみにたずねなければいけない重要な質問がある。だからこそ、この手紙を書いているんだ…」と続いていた。いったいその大切な問いとはなんだろう?そしてなぞのオレンジガールの正体は?『ソフィーの世界』の著者が、生と死、そして世界が在ることの不思議を描いた、注目のヤング・アダルト小説。
著者等紹介
ゴルデル,ヨースタイン[ゴルデル,ヨースタイン][Gaarder,Jostein]
作家。1952年ノルウェー生まれ
猪苗代英徳[イナワシロヒデノリ]
翻訳家(ノルド語・フィン語)。1952年生まれ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zero1
57
【私にとって、きみは生きている奇跡】。この世に参加することの意味と去ることの必然。我々は、次の世代に思いをどう伝えることができるだろう。11年前に病死した父親からの手紙を受け取った15歳の少年。医学生時代の父が出会ったオレンジガール。正体はすぐに分かった。ハッブル宇宙望遠鏡と生きる意味を描いた秀作。読み易いが訴えている内容は深い。悩める中高生が読めば、何か答えが見つかるかも。哲学はこの作品から始まる?2020/07/11
星落秋風五丈原
40
4歳のときに死んだ父からの手紙が11年後見つかった。「どきどきさせる話をしよう。オレンジガールの物語だ」手紙には、父とオレンジガールとの不思議な物語がしたためられていた。そして父は、今の僕にどうしても答えて欲しい、とても大切な質問も用意していた。オレンジガールは一体何者なのか?そして父の大切な質問とは何なのか?2003/12/31
ミュポトワ@猫mode
22
図書館本。ノルウェーの作家さんが書いたヤング・アダルト向けの単行本です。てか、この作家さん、ソフィーの世界を書いた方なんですね。最後まで読んでないから作者は記憶から消去されてましたw本としては、結構面白いけど、大人というよりは高校生ぐらいに読んでもらいたい本ですね。ちょうどそのころ考えることが書いてあるので、きっと手助けになると思います。ソフィーの世界の作者だけあって結構哲学的ですし。本自体も、これはたぶん訳者が優秀なんだと思いますが、非常に読みやすくなっていますので、普段本読まなくても読めると思います。2018/08/20
Shiori
9
率直に、わぁ〜いい、すごくいい、好きだな〜って感じです(笑)読了後、すごく優しい気持ちになります。オレンジガールが受けていた愛情の深さには何度か涙してしまいました。男女問わず面白く読めるYA本かな?と思いました(*^^*)2015/11/20
糸遊
8
あなたが生まれる前、いつかこの人生から立ち去らねばならぬことを知っていたら、一回きりの人生を生きることを選びますか?それともそのまま、立ち去りますか?私はどうするだろう。この父親が息子に問うのは、酷だとさえ思えるこの問いだ。ニーチェは、ツァラトゥストラの中で同じように一回性の人生について説いた。そしてどんなに辛いことがあっても、幸せだと思えることがあれば、それは生きる価値に値するのだという。本書には哲学的要素が見えない形でそっと語られる。そして、私たちに思考をさせることで、完結に至る!!2013/07/02