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ビッビ・ボッケンのふしぎ図書館

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  • サイズ A5判/ページ数 333p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784140054000
  • NDC分類 K949
  • Cコード C0097

出版社内容情報

『ソフィーの世界』の著者ゴルデルとノルウェーを代表する作家ハーゲルップが、ファンタジーの粋を集めて読書の喜びを表現した作品が、いよいよ日本語になって登場しました。ドイツでも発売以来たちまちベストセラーになった作品です。

頭の中で考えたことが言葉になって、文字になって、文章になって、お話になって、本になって、だれかに読まれて、自分が死んでから何百年もあとに生まれた人にも読まれて、その人たちがその本を読んで感じたことも、言葉になって、文字になって、文章になって、お話になって、本になって、そしてまた何百年もあとに生まれた人に読まれて・・・・・。本ってすごくない?

【この本の成立の背景】
本書は、ノルウェー図書年(ノルウェーで初めて本が印刷出版されてから350年を祝う行事)を記念して出版された作品です。
若者に読書の楽しみを教えることを目的として政府機関の図書普及協会が『ソフィーの世界』の作者ヨースタイン・ゴルデルに執筆を依頼しました。依頼を受けたゴルデルの提案により、ノルウェーを代表するもうひとりの作家クラウス・ハーゲルップとの共作が実現しました。

【あらすじ】
物語はオスロに住む少年と、フィヤールランという田舎町にすむ少女の交換日記という形で進んでいきます。
フィヤールランはフィヨルドのいちばん奥まったところに実在する町で、ヨーロッパ大陸最大の氷河とフィヨルドに囲まれた美しい町です。
この町に住む謎の女性、ビッビ・ボッケンは人里はなれた家にひとりで住み、世界中から送られてくる珍しい本を集めています。彼女だけがこれから出版されるという「ふしぎ図書館」についての本がどこにあるか知っているらしいのですが、「ふしぎ図書館」もその本もどこにあるのかは謎のままです。ふたりはビッビ・ボッケンの正体はなにか、これから出版される本はどこにあるのかを探ろうとして、いろいろな事件に巻き込まれていきます。やがてふたりの日記をねらう男まで登場し、たびたび危険な目にもあいます。ふたりはそうした日々のできごとを交互に交換日記に綴っていくのです。
実はこの交換日記そのものが、来年出版されることになるというどんでん返しが待っています。すなわち、読者が読んでいたこの本自体が、ふたりが探し求めていた「来年出版される本」だったというわけです。
2001年ドイツで出版され、ベストセラーになりました。そのほかイタリア、タイ、韓国でも出版されます。

【補足(本書の出版にまつわる話)】
○少女とビッビ・ボッケンが住むフィヤールランは、本書の出版に触発されてブックタウンになりました。ブックタウンは世界に約20か所ありますが、イギリス人リチャード・ブースが1960年代に提唱してはじめたもので、風光明媚な小さな町につくられることになっています。フィヤールランでは町の廃屋となった家を利用して20万冊におよぶ古本が全国から集められ、全国から本を求めて人々が訪れています。

○この本はフィクションですが、多くの事実が盛りだくさんに描かれています。それは過去の文学作品の紹介(アンネの日記、ながくつしたのピッピ、クマのプーさん、etc.)だったり、デューイによる図書分類方法、ノルウェーの史実(トンネル採掘跡地を利用して大規模な地下の図書館が作られたことなど)だったりします。またこの本の舞台となる町フィヤールランや、そこにあるホテル・ムンダールをはじめ、氷河の山小屋や、教会、そしてビッビ・ボッケンの家まですべて実際にある建物をモデルにしています。登場人物も実在の人物がモデルになっており、本名で登場しています。ムンダール地区はアメリカの元副大統領モンデールの出身地でもあり、図書年にはモンデールその人もこの町を訪れたといいます。赤毛のアンの舞台となったプリンス・エドワード島のグリーンゲーブルズと同じように、フィヤールランにも物語そのままの風景が広がっています。

<著者紹介>
ヨースタイン・ゴルデル Jostein Gaarder
作家。1952年ノルウェー生まれ。おもな著作に『ソフィーの世界』『アドヴェント・カレンダー』『ハロー?』『鏡の中、神秘の国へ』『フローリアの「告白」』『カエルの城』(いずれもNHK出版)、『カードミステリー』(徳間書店)などがある。

クラウス・ハーゲルップ Klaus Hagerup
作家。1946年ノルウェー生まれ。詩、舞台脚本、小説、児童文学などあらゆるジャンルで活躍する、ノルウェーを代表する文化人である。おもな著作に『時間のない国』『マルクスとダイアナ――シリウスの光』『シニア・ユーモリスト』(いずれも未邦訳)などがある。

内容説明

ニルスとベーリットはいとこ同士。ふたりがレターブックの交換をはじめたときから、奇妙なことばかり起こるようになった。ふたりのことをなんでも知っているなぞの女ビッビは、世界中の古くてめずらしい本を集めているらしい。ビッビだけがその場所を知っている「ふしぎ図書館」にはまだ誰にも書かれていない本が収められているという。彼女はいったい何者?レターブックをつけねらうはげ頭の男のたくらみは?フィヨルドと氷河に囲まれた美しい小さな村を舞台に、これから書かれる本を探してふたりの冒険ははじまった。

著者等紹介

ゴルデル,ヨースタイン[ゴルデル,ヨースタイン][Gaarder,Jostein]
作家。1952年ノルウェー生まれ

ハーゲルップ,クラウス[ハーゲルップ,クラウス][Hagerup,Klaus]
作家。1946年ノルウェー生まれ。詩、舞台脚本、小説、児童文学などあらゆるジャンルで活躍する、ノルウェーを代表する文化人である

猪苗代英徳[イナワシロヒデノリ]
翻訳家(ノルド語・フィン語)。1952年生まれ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

135
これは童話なのでしょうね。10代前半の子供たちが手紙のやり取りをしながら、この題名になっている図書館について冒険をしていくもので、どちらかというとファンタジーとは異なるミステリー仕立ての感じがしました。はじめて「モモ」を読んだときのような今までにない物語の感じでした。2017/03/04

ぶんこ

44
ノルウェーでの図書年を記念して出版された小学6年生向けの本。当時の6年生に無料で配本されたそうですが、大人が読んでも面白い。むしろ本に日頃親しんでいない6年生には難しいのではと思いました。フィヨルドを利用した地下室の図書館だなんて、ワクワクします。未来の人類の為に残しておくべきとして、本当にノルウェーの山の中には国立の図書館があるのでしょうか。日本の国立図書館も、どんな天災、戦争が起きても本を護ってくれるシステムが整っているのでしょうか。ニルスとベーリットのいとこ同士が謎に挑む交換日記形式でした。2017/03/05

はる

37
謎だらけで楽しい作品でした。ただ、ワクワクする導入部からもっとファンタジーな物語を期待していたので、後半のやや強引な展開は少し残念。日本語版のみに描かれた加筆部分は日本人には嬉しいですね。2017/02/26

timeturner

8
いやあ、面白かった~。ミステリー、ファンタジー、スパイ・サスペンス、ありとあらゆるドキドキわくわく要素満載で、ふだん本を読まない子でも夢中で読んじゃうだろうなあと思う。もちろん本好きの子なら(大人でも)大満足。2016/05/01

るりこ

8
唯一未読だった、大好きなヨースタイン・ゴルデルの邦訳されている作品。 共著だったので手が伸びなかったが、関係なく楽しめた。 ゴルデルの、どの作品にも根底に貫かれている様に感じる人柄の温かさ・ユーモア・ウィットは、共著でも色あせなかった。 この本が書かれた目的が目的だけに教育的な示唆が透けて見えるような気がするが、本への愛は大いに共感。2012/08/21

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