出版社内容情報
人類は原初の時代から「死」に飽くなき興味をいだきつづけてきた。ついにその秘密を求めて、未知の大陸への航行を実行する。世界各地の神話、宗教、哲学、天文学を駆使して描く近未来小説。
内容説明
死後の生、臨死体験、体外離脱、生まれ変わり、ブラックホール、そして天使…すべての疑問が解き明かされる、まったく新しい近未来小説。叔父の葬式の日、ミカエルはペール=ラシェーズ墓地で不思議な少年に出会った。少年の名はラウル。墓の上に腰かけ、人の心の奥底まで見透かすようなまなざしで、少年は「死の哲学」を語りはじめた。それから2人は毎晩、あらゆる死について話し合った。32歳のミカエルは麻酔医になった。ある日、突然ラウルが電話で会いたいと連絡をしてきた。場所はあのペール=ラシェーズ墓地。彼は自分の行なっている研究のことを打ち明けた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
黄色と橙
6
          
            再読。ソフィーの世界と同時期に出版された同じNHK出版社の本なので、本屋さんで見かけた方も多いのでは? 残念ながらソフィーほどブームにはならなかったけど、今読み返しても純粋に面白い。「死」を真っ正面から扱ったシリアスな作品なのに、読んでいてワクワクする見事な冒険譚として仕上っています。最終的に提示される死の解釈はなかなかのもの。死生学、宗教、神話、伝説に関心のある方にオススメ。肩肘張らずに生死について考えることのできる素晴らしい本。この作者は『蟻』シリーズが文庫化されていますが、こちらも復刊しないかなぁ。2012/03/10
          
        ニョンブーチョッパー
3
          
            ◎1997/12/24
          
        志ん魚
3
          
            近未来、人類はついに死後の世界を発見。巻き起こる各国の探索競争。次第に明らかになっていく究極の謎と大いなる真理。。。と書くと期待したくなるが、正直それほどの「やられた感」はなかった。風刺とユーモアの効いたエンタメという意味では『幼女と煙草』とかに雰囲気は近いかも。ただしこちらは辞書みたいな分厚さの長編なうえ、構成がやや単調なのでちょっとだらけがちに。。。2010/12/02
          
        Chaturdashi Yura
2
          
            古代ユダヤの神秘主義文献とチベット古代の秘教的伝統をベースに世界中の神話、宗教、神秘主義をハイブリッドして作り上げられたパンテオンというかパンデモニウムというか、ダンテの現代風カリカチュアというか、うーんバベルの文学。随所にちりばめられたブラックユーモアとジャーナリスティックな語りがチャペックの「絶対子工場」に似てると思ったらヴェルベールも元報道記者。輪廻転生のルートに大手メーカー各社が霊媒を駆使して広告を展開し始めたというくだりには吹き出してしまった。なかなか読み応えのある人間喜劇だった。2015/12/13
          
        ままみ
1
          
            精神世界や宗教観を絡めた真面目なSF風小説かと思いきや、後半になるにつれコメディかと思えるノリで怒涛の勢いで畳み込まれた。あれ?これ笑うところ?なんて思ってる内に真顔で話し終わっちゃった、といった具合。天使と戦争でもやって天使が地獄に、私たち人間が天使に、ぐらいの潔さがあればもっと不真面目に楽しめたかも、芥川的なノリで。とにかく、どこまで真面目に書いてるのかわからないから笑えなくてモヤモヤするけど、真面目に書いているとも思いたくない内容…。2015/02/02
          
        


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